内容説明
本来農耕民だったユダヤ人は、本質的に「商人の宗教」であるイスラームのもとで商業民族として開花した。その後、イスラーム世界と東西ヨーロッパ世界の交流を仲立ちし、今日の世界的な経済システムの形成に決定的な影響を与えていく。現代ヨーロッパ文明が隠し続けてきたユダヤ人の歴史的役割を、経済人類学者にして文明史家でもある著者が明らかにする。
目次
はしがき ユダヤ民族の歴史への新しいアプローチ
1 ユダヤ民族の誕生から「離散」まで
2 イスラーム世界の中で生きるユダヤ人
3 イスラーム経済を担うユダヤ人の誕生
4 中世西ヨーロッパ世界のユダヤ人
5 西ヨーロッパ世界の繁栄とユダヤ人への迫害
6 近代ヨーロッパのユダヤ人―新たな活動の場を求めて
7 近代ヨーロッパの混乱とユダヤ人
8 ユダヤ民族問題の根本的解決はあるか
著者等紹介
湯浅赳男[ユアサタケオ]
1930年山口県生まれ。専攻=比較文明史・経済人類学。東京大学文学部仏文学科卒業。約9年のサラリーマン生活の後、大学院に戻り、東京大学大学院経済学研究科退学。新潟大学教授、常磐大学教授を経て、新潟大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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