内容説明
交通事故判決にエポックを画した元裁判官が綴る「戦後史」完結編。「思い出話」に司法の内側が見えてくる。札幌高裁、東京地裁交通部、佐賀地家裁所長、東京高裁、そして「家畜人ヤプー」事件まで。
目次
第1部 『裁判官の戦後史』続編(札幌高裁時代;東京地裁時代)
第2部 老法曹の思い出話(東京地裁通常部時代;佐賀地方・家庭裁判所所長;東京高裁第八民事部時代・一;最後の二年間(第八民事部・二)
「家畜人ヤプー」事件)
著者等紹介
倉田卓次[クラタタクジ]
大正11年1月東京都に生れる。東京府立四中、旧制一高を経て、昭和18年10月東京帝国大学法学部に入学するも、間もなく学徒出陣。昭和21年3月復員復学。昭和23年9月東京大学法学部卒業。国会図書館職員、司法修習生を経て昭和26年4月裁判官となる。東京家地判事補、長野家地裁飯田支部判事補、最高裁調査官、札幌高裁判事、東京地裁判事を経て昭和52年10月佐賀地家裁所長。昭和55年2月東京高裁判事となり、昭和58年7月退官。昭和58年8月公証人(霞ヶ関公証役場)となり、平成4年1月退職。平成4年2月弁護士(第二東京弁護士会)となり、現在に至る。法学博士(大阪大学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Ted
8
'06年発行。札幌高裁時代から退官までの四方山話。末章で『家畜人ヤプー』の作者とされた説を全面否定しており、納得した。交通部に居た頃の実務や人事の話は完全に内輪のネタなので興味が湧かなかったが、法廷でのちょっとしたエピソードなどは妙に面白く、印象に残った。「学生時代は優等生ではなかった」と告白しているが、「劣等感」と普通に書けばよいものをわざわざ“inferiority complex”と横文字を使っているのが不自然に感じた。やはり「劣等」と書くのは裁判官としてのプライドが許さなかったのだろうか。2011/10/27
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