内容説明
KGB、CIA、北朝鮮工作員…スパイ天国東京に蠢く各国情報機関員を、日夜追いかけるはみ出し捜査官。組織に対する屈託を抱え、神経を病み酒浸りになりながらも職務を遂行するハードな日々。警視庁公安部外事一課、内閣調査室国際部勤務時代のエピソードを中心に、捜査の日常が淡々と綴られた異端の公安捜査官の独白。
目次
新米巡査
地獄の上野警察署
連続企業爆破事件
イリーガルスパイ
篭絡されたCIA女性職員
基地班の捜査線上に浮かんだサンキスト
北朝鮮工作員に協力する「土台人」
機動隊員に変装
内閣調査室国際部
ソ連スパイとの闘い
右翼対策・過激派対策の現場へ
国際テロ班
協力者工作
警部昇任と自律神経失調症
恋人
公安警部
著者等紹介
泉修三[イズミシュウゾウ]
1944年東京生まれ。都立両国高校、東京都立大学法学部卒業。67年警視庁に入庁。公安部外事一課、内閣調査室国際部などを経て、96年警視に昇任、同年退職。その後、日本調査情報学院教務部長・調査部長を経て、(株)日本メディカルエステティック研究所役員付法務担当部長、(株)フェスタ統括相談室長を歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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slowlifer
31
公安警察の業務を垣間見た。日本では、おとり捜査、盗聴、偽造など違法で、捜査、摘発にも限界がありスパイ天国。外交特権の壁も。日本に諜報(CIA、KGB)、防諜機関(FBI、CI5)が存在しないのは、比較的単一民族で従順、しかも性善説的な感覚でいる国民性のため?欧米の諜報機関と連携し情報入手せざるを得ず、日本が国際的に強気に出れない一因かも。イスラエルはモサドがないと国家存亡にかかわり、欧米もテロや戦争回避、自国民保護など大義がある。日本は大義が薄いので明確な組織もないのかも?戦時中の特高の反省もあるかも。2017/08/11
緋莢
12
図書館本。2009年刊行。著者は67年警視庁に入庁、公安部外事一課等を経て、96年に退職しています。そのため、昭和49年の丸の内三菱重工ビルから始まる連続企業爆破事件の話も出てきて、2024年1月に入院中に名乗り出て、その後に死亡した桐島聡の名前も登場します。そういう著者が 関わった事件の部分はいいんですが、終盤の病気と浮気、奥さんに逃げられて…というところは完全にいらなかったです。プロローグで、医者から「一度、大学病院で脳神経を調べてもらった方がいいですよ」(続く 2024/09/16
かんがく
5
公安というものが、フィクションでは色々みるけど、いったいどんなことをしているのかと気になって読んでみました。内容はスパイ・テロリスト・右翼や左翼との戦いですが、文章は軽いです。「アメ公のヤロー」みたいなノリです。ほとんどが大変な仕事だけど、俺のおかげで解決したぜ!みたいな自慢なんですが、年寄の自慢話は割と好きなので問題ありませんでした。まあ、公安といえども人間なんだなと思いましたね。後半になると、著者のプライベート(不倫とか離婚とか)の話が出てくるのですが、ここはあまり面白くなくて飛ばしました。2014/03/08
ミノカサゴ134
3
ノンキャリで警察に採用された著者が、交番勤務からやがて公安、そして内閣調査室に出向の中で関わったヤクザ、左右翼、外国人スパイとの攻防を振り返った半生記。生きの良いテンポで、悪いヤツらを取っ捕まえるが展開は、こち亀の両さんを連想させるが、生真面目な性格が垣間見える。臭い自慢話に見えるが、そこは割り引いてあげてもよいのでは?しかし後半の不倫、離婚話は、事実であっても書かないで欲しかった(生々しくて読みたくない)。まあ、それも含めた著者の人生なのか。退職時に警視まで上がったのは、ノンキャリとして立派。2019/03/03
130
3
ちと古い公安が長い人のお話。高飛な文章であるが仕事のできる感じが伝わってくる作品。最後の方にあるオウム関連で国松長官の狙撃に触れていた。NHKスペシャルを見たあとだとなんとも言えない感がのこる。 2018/09/24
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