内容説明
ウグイス男にエロ先生、ネコなで一家に脅迫チャップリン!昭和20年代の珍妙事件!昭和20年代の新聞から取るに足らない事件ばかりを拾って集めた、取るに足らない内容の本。
目次
1 この小さき者たち
2 どしてそゆことするのかな
3 エロの迷ひ道
4 舌先三寸の男たち
5 おとなげない人びと
6 悪のお年寄り
7 そっけないじゃありませんか
8 良ひお巡りさん悪ひお巡りさん
9 捕らへてみればアラびっくり
10 悲しみよこんにちは
人の世に情けあり
著者等紹介
早川いくを[ハヤカワイクオ]
1965年生まれ。東京在住。多摩美術大学グラフィックデザイン科卒業。広告制作会社、出版社勤務を経て、フリーに。2004年『へんないきもの』、つづく2005年『またまたへんないきもの』(ともにバジリコ)がベストセラーとなり、本格的な作家活動に入る。『へんないきもの三千里』で初の小説に挑戦した。『取るに足らない事件』を2008年に上梓。またまた話題に(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
sigismund
4
今回の裏の主題はズバリ「エロ」。戦中の抑圧の反動が様々な形で新聞記事を賑わせる。そして「早送りの戦後史」ではカストリ雑誌、ストリップ、慰安婦、赤線…戦後に氾濫したエロの数々とそれを取り巻く社会情勢が概観できる。常日頃、日本文化を語る上でエロは重要なファクターと考えているので戦後のエロが如何なる変遷を遂げ現在に至るか考える一助にもなる。もちろん、エロ以外にも取るに足らない事件を多く収めている。2014/09/28
MOTO
3
本人は至って真面目に話してるのに、受け取る側が(しょうもない事をこんなに真剣にしゃべってる!)事に気付くと、以降笑いをこらえるだけで精一杯になってしまう。 新聞の片隅に掲載されていたそんな『取るに足らない事件』は読んでもいいし、読まなくてもいい、あまりにも薄い事件簿集。2020/02/18
海
3
なんでこんな些細な事件が毎日新聞とかに載ってるんだろうと不思議になるんだけど、当時はまだ新聞の流通網が整備されていなくて、新聞全体が地域版だったのかなあと思ったりした。話題がローカルすぎるw戦後の赤線の歴史は以前読んだその手の本の復習になった。2014/03/30
カクテキ
2
VOWのへんてこ新聞記事がかすんで見えます(笑)。当時としては大問題だったのでしょうが、殺伐感があまりなくて和んできます(申し訳ないけど)。それにしても記事探しを思うと頭が下がります。2012/12/04
きら
2
終戦直後、新聞を賑わせた「取るに足らない事件」の数々を取りあげて紹介したシリーズ第二弾。人々は皆貧しく、明日をも知れないような人たちが数多く存在していた一方、そのやるせなさへの反動で誰もが娯楽を求め、エログロの規制の緩さと相極って、まさに混沌としていた当時の日本の状況が偲ばれる。きっとかつての日本に限らず、発展途上の国って、こういう混然一体としたわけのわからないエネルギーに満ち溢れるものなんだろうなあ・・・ 一時期、日本中がルパンの模倣犯(ただし名前だけ) だらけだったというのには笑った。2010/03/19