戦争の経済学

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  • サイズ B6判/ページ数 430p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784862380579
  • NDC分類 333.3
  • Cコード C0098

内容説明

憲法9条改正?自衛隊を正規軍に?でもその前に一度、冷静になって考えてみよう。戦争は経済的にみてペイするものなのか?ミクロ・マクロの初歩的な経済理論を使って、現実に起きた戦争―第一次世界大戦から、ベトナム戦争、湾岸戦争、イラク戦争まで―の収支を徹底分析!「戦争が経済を活性化する」は本当か?徴兵制と志願兵制ではどちらがコストパフォーマンスが高い?軍需産業にとって実際の戦争にメリットはあるか?核物質闇取引の実際の価格は?自爆テロはコストにみあっているか?…などなど、戦争についての見方がガラリと変わる、戦争という「巨大公共投資」を題材にした、まったく新しいタイプの経済の教科書。自衛隊イラク派遣の収支を分析した、訳者 山形浩生による付録「事業・プロジェクトとしての戦争」も必読。

目次

第1部 戦争の経済効果(戦争経済の理論;実際の戦争経済:アメリカの戦争 ケーススタディ)
第2部 軍隊の経済学(防衛支出と経済;軍の労働;兵器の調達)
第3部 安全保障の経済面(発展途上国の内戦;テロリズム;大量破壊兵器の拡散)
付録 事業・プロジェクトとしての戦争

著者等紹介

ポースト,ポール・D.[ポースト,ポールD.][Poast,Paul D.]
マイアミ大学(オハイオ州オックスフォード)とロンドン・スクール・オブ・エコノミクスより学位を取得。オハイオ州立大学で経済学と国際関係論を教え、現在ミシガン大学政治学部博士課程に在籍。2001年9月11日の同時多発テロを期に戦争の経済的な側面についての研究をはじめる

山形浩生[ヤマガタヒロオ]
1964年東京生まれ。東京大学工学系研究科都市工学科修士課程修了。マサチューセッツ工科大学不動産センター修士課程修了。大手調査会社に勤務のかたわら、科学、文化、経済からコンピュータまで、広範な分野での翻訳と執筆活動を行なう(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

yo

11
戦争×経済学。戦争という事象を、感情論に偏らず、経済理論を使って淡々と分析する。教科書として利用することが意識されており、章末に要点とキーワード、章末問題が用意されていて、初学者にも優しい。本当に、戦争と言ったら「絶対反対」とか「大東亜戦争は実は正しくて…」とか、意見が合ってる間違ってる以前に冷静さを欠いた議論が目立つ中で、こういう本は貴重。戦争を行う経済的なインセンティブや、逆に戦争をしてもあまりいいことがない状況など、かなり整理されている。しかも、これは訳も良く、翻訳書随一の読みやすさを誇る点も良い。2016/09/26

無重力蜜柑

9
戦争という現象の多様な側面を経済学の概念で淡々と分析し続ける教科書。まず経済学の理論や概念を紹介し、現実の戦争や安全保障から実例を取り上げて分析してみる。訳者も言う通り戦争にも経済学にも深くは踏み込みない。図や表も豊富だが必要最低限。あくまで入教科書的な記述に終始している。だからこそ戦争のあまり思考しない部分に光を当て、どのように考えるべきかというフレームワークを与えてくれる。確かに類書のない本だと思う。自分は経済は完全に素人でマクロとミクロの違いも曖昧なくらいなのだが、それでもわかりやすかった。2022/12/09

yo

9
再読。「〇〇の経済学」には眉唾物が多いが、これは本当に戦争の各側面を経済学の概念やツールを使って分析したすごい本。名著と言ってもいい。残念ながら、戦争は条件がそろえば経済にとって有益なのだ。その条件とは、開戦時点での低経済成長、開戦時点での低いリソース利用度、戦時中の巨額の継続的な支出、紛争が長引かないこと、本土で戦闘が行われないこと、資金調達がきちんとできること。他にも、自爆テロはなぜ行われるのかを費用便益分析によって説明したりしている。要は自爆テロは普通にテロを起こすより費用が低く、便益が大きいのだ。2018/05/08

wasabi

5
徴兵制は非効率。自爆テロのコストは安い。テロと貧困は関係なし、などメモりたくなる箇所多数。感情的な意見は脇に置いといて戦争を損得で考える、もっと言えば「儲かるのか儲からないのか?」とお仕事してる人なら大変身近に感じれる大人な本。こういった事をテーマに据えた漫画や小説ってありますかね?2013/05/12

四ツ谷

4
有事のドル買い、円買いと言われるようになると「戦争は地球上で最も高額な公共事業」という声も上がるのが気になって手にとってみた。本書は戦争を経済学的に分析した読み方と戦争を例にとってマクロ・ミクロ経済学の入門書として読めるかも知れない。講義調で章が進むので違和感がある人やかえって読みやすいという人もいるかと思う。個人的に「戦争前に低い経済成長で有休リソースがたくさんある」「戦時中に政府から巨額支出が続く」「自国が戦場にならず、期間が短い」という条件下のとき戦争は有益というのは良い気付きだった…(ヽ´ω`)2020/07/14

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