内容説明
7人の父親をもつ少女、母親の薬物中毒、父親の性暴力、家出した母親。虐待された生い立ち、寂しさや怒り、そして非行。万引常習、援助交際、暴力、薬物…。立ち直りのため母親代わりに、非行の根っこに寄り添った壮絶な記録。
目次
異色の職場に辿り着くまで
小学生の無免許バイク登校
あの日の出来事の記憶
七人の父を持つ少女―連鎖を食い止めろ
性虐待を受けていた女の子―這ってでも生きる
引きこもり少年の家庭内暴力
「重大事件加害者の息子」として
ネグレクト家庭でのトラウマ
初回面接―親の「愛着」と夫婦の家事分担
問題行動に隠されたメッセージ
我が子を非行に走らせないために
著者等紹介
堀井智帆[ホリイチホ]
1977年、横浜市に生まれる。西南女学院大学福祉学科卒業。児童養護施設勤務をへて、福岡県警察本部北九州少年サポートセンター勤務。少年非行の根っこに寄り添い、その背後にある虐待の問題に取りくむ。2020年10月、NHKテレビ「プロフェッショナル 仕事の流儀」出演、大きな反響をよぶ。2022年、同センターを退職。現在はフリーの立場で子ども相談、講演活動などを行う(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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ムーミン
24
図書館本でしたが、あまりにも学びが多く、これからの仕事にも役立てたいので、アマゾンで注文しました。これからもう一度読み返しながら、大事な部分をまとめます。2025/03/13
春色
6
筆者は、元福岡県警少年育成指導官。福岡県警察本部北九州少年サポートセンターで、非行少年たちに向き合ってこられた方です。非行の根っこにある、傷付きや寂しさを癒し、子どもたちが社会で生きていけるように、、、温かく粘り強い堀井さんの仕事人としての姿に感動します。私自身も、本書に登場してくれた子どもたちほどの非行少年ではありませんが、問題行動を繰り返す生徒に対応することがあります。指導ももちろん必要ですが、根本のなぜ?をもっと考えなければならないと自省します。2024/01/30
しゅうりん
4
警察の中に子供を支援する専門職があるということを初めて知りましたし、大半の原因は自分が大切にされていない寂しさなのかな、と感じました。大人の6大関わり(怒る、叱る、諭す、泣き落とす、約束させる、環境を除去する)…ついしてしまいますが、止めなければ、ですね。 あと、子供は親に無償の愛をくれるけど、親から子への愛は条件付きであることがよくある、という箇所が印象的でした。2023/01/18
工藤俊悟
2
●すべての問題行動が、親や周囲の大人に向けたSOSメッセージ●夜中の二時に飛んできてくれる大人がいる。世の中捨てたものじゃない●とにかく「どうしたん?」「何があったん?」と理由を聞きます。あなたはそんなことをする子じゃないのに、悪いことをしてしまうまでに一体何があった○そんな存在に出会えたことが、この二十年間の私の一番の財産です○これだけ自分に振り回されてくれるということは「それだけ私は大事な存在なのだ」と自尊感情が育まれていくのです●このように何年も後になって温かい関わりとして本人に届くこともあるのです2023/06/24
巽霞月
1
親になる予定の人は読んでみても良いかもしれない。自分の子がこうならないとは限らない。でも、どこかに道はある。その道を、我が子に示せるような親になりたい。2024/04/22
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