感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
いとう・しんご
9
クロード・ルフォールきっかけ。ルフォールは’70年前後の論文集だったけれど、本書は2002年の本でより現代に近い。民主主義が空洞化しつつある現状をめぐる、とても豊かな思索と批判が展開されている本。’68年の5月革命を不可能な遺産と評価したうえで、その後「現代化」の美名に隠された現状追認の政治と左派の迷走、マスコミの批判合戦による表象の空疎化や公的空間の不透明化、というようないくつかの興史深い現代史を辿りながらの議論は非常に刺激的。もちろんすっきりした結論なんかないけれど、そこに大きな誠実が感じられる。2026/03/06




