感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
スウ
6
過去の同人誌をまとめたものだそうで、商業誌とは一味違う個性がにじみ出ていて面白い。「夏の十字架」は薬の売人が主役かと思ったら違ってて世捨て人のようなおじさんが飄々と力強く話を引っ張るギャップがすごかった。お迎えを待つおばあさんの日常「ちりぬるを」も、商業にはでない作品だなあ。最後の一言にギクッとしてなんとも言えない寂寥感。「はじまりの恋のはじまり」は、谷崎潤一郎の猫エピソードであったなあこういうの、とにこり。鋭敏な視点で人の優しさを描く作家性があるように思った。2017/09/09
わびすけ
4
コミティア出身作家の短編集。絵柄で淡白な印象を持つが、表題作でもある夏の十字架やちりぬるをのようなすうっと余韻を残して終わる作風が好きです。あとがきに各話を描くにあたって影響を受けた作品が載ってるので派生して読みたくなる。2016/10/27
任世官(イエン・シーカン)
4
初めに、神は天地を創造された。 地は混沌であって、闇が深淵の面にあり、神 の霊が水の面を動いていた。 神は言われた。「光あれ。」こうして、光があった。 神は光を見て、良しとされた。神は光と闇を分け、 光を昼と呼び、闇を夜と呼ば れた。夕べがあり、朝があった。第一の日である。(旧約聖書 創世記) 私はクリスチャンではありませんが、創世記の最初のこの一説を思い出した 2014/01/25
kujira
3
とてもいい。すごくいい。表題作は映画化してほしい。というか、この人自身が映画からよくインスパイアされて作品を描いているからか、ものすごく映画にしたいマンガという感じが強い。邦画はなんでこういう作品を放っておいて、そのくせ放っておいてほしい作品ばっかりを映画化しちゃうかなあ。知ってるよケインズの美人投票とかある程度実績があるマンガじゃないとスポンサーがつかないとか、そういう世知辛い話は! でもこういう才能を放置しちゃうって業界の怠慢じゃないかなあ! みたいな!2017/02/06
もりげし
3
ずっと積んでた…試し読み買いだったかな?面白かったです。表題作が一番好み。騙し合いながらもなぜか憎みあう関係に見えないところがすごく好き。2014/11/26