目次
琉球列島史を掘りおこす―十一~十四世紀の移住・交易と社会的変容(琉球・沖縄史再検討の動き;土器文化に見る農耕社会への変化 ほか)
集落からグスクへ―グスク時代における交易と農耕の展開(グスク時代初期の集落と地域性;交易型集落の多様性と特徴 ほか)
第一尚氏期における首里の外港を探る―画像史料の再検討から(天久権現と聖現寺;泊里主と泊大阿母 ほか)
交易船構造の革新と琉球―中世東アジア航洋船から南シナ海型ハイブリッド船の登場まで(琉球の造船地;琉球船の航海性能 ほか)
座談会 中世の琉球(島々をつなぐ鎖のネットワーク;大和系文化の第一波 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
四不人
3
討論の村井先生じゃないが、琉球列島のような豊かな周辺部での「中世」という時代区分はなかなか難しい。巻末の池田氏のインタビューにあるように、政治的統一すら内的必然性には乏しいので。今は「船」に関心があるので、木村報告はとても面白かった。やはり技術の伝播の研究はとても難しい。常に「最新」の技術に置き換わるとも限らないし、何が「優れている」かも状況で異なる。う〜む。2021/07/24
もるーのれ
0
琉球において、本土の「中世」に相当する時期として連想されるのは石積みのグスクだけど、本書では大型グスクの成立や統一王朝の樹立の前段階の琉球列島の社会構造や交易のあり方などについて紙幅が割かれていて、なかなか興味深い指摘も多かった。日本中世史の近年の研究動向を踏まえた議論がなされていて、成程と思わされる。2019/07/28