内容説明
「あんたはバカなんだから、つまらないプライド捨ててバカなりに生きなよ」「うん、ありがとう」絶望的なまでに無能な自分を認めたとき射した、一筋の光…第13回もんもん文学賞大賞作品。
著者等紹介
佐川恭一[サガワキョウイチ]
1985年、滋賀県生まれ。京都大学文学部卒業。2011年『終わりなき不在』で第3回日本文学館出版大賞受賞。2014年『シュトラーパゼムの穏やかな午後』でCRUNCHNOVELS新人賞奨励賞受賞。2017年『無能男』で第13回もんもん文学賞大賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
東京湾
5
完膚なきまでの無能を突きつけられた先、青年が見出した光は。高学歴としての自尊心と社会生活における無能力との乖離に苦悶する大学生・伊村。相互理解に対する疑念が自意識を肥大化させ、自縄自縛に陥る姿は滑稽でありながら切実だった。現代青春文学として傑作だ。2022/12/26
donut
4
登場人物の台詞にいちいち傷つきながらもページをめくる手を止めることはできず、最後の数ページは縋るように読みました。この本を読んで「これは俺の話だ!」と思う男子大学生はかなりの数いるのでは。これといった目的もなく大学に入り、何事にも熱中できず、他人を見下し、見下され、誰のことも信用できなくなり…そんな現代の若者が生きる社会の構造を、文学的な気取りなしで非常にリアルに描き出した作品だと思う。しかし、主人公は曲がりなりにも京大生だし、童貞じゃないし、正真正銘のエリート…2019/02/15
じゃがたろう
2
図書館本。『人間失格』よりも心に刺さるという感想もチラホラ見かけるが、まさに現代男性の青年期の心理状態を描いた作品だなと思った。深い付き合いのようにみえて、実は表面的な付き合いだったとわかったときのショックとか、境界性パーソナリティー障害とか社会不安障害とかのことがリアルに描かれている。2018/05/28
bingooo
1
★★2025/01/13
金平糖
1
A。2023/08/07
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