内容説明
日常の網目をすり抜けていってしまうような些事を丹念に掬いとって、それらに見合った丁度の言葉をあたえて覗いていくと、世界はおどろくほど違った表情を見せはじめる。スパイスと機知、それに少しの毒の盛られた松木ワールドへようこそ。
目次
二〇一三年のうた
二〇一四年のうた
二〇一五年のうた
二〇一六年のうた
二〇一七年のうた
二〇一八年のうた
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yumicomachi
4
2019年刊行の第4歌集。集名は著者が長年暮す北海道登別のアイヌ語での意味からとったという。風刺や批評性が特色とされてきた著者はあとがきにもうそれを期待しないでほしいと綴るが、この集には比較的批評精神のある歌が多いと思う。ただ私が惹かれたのは〈真夜中の温水プールも照らしたる月はいつでも誰かの挽歌〉〈目立たずに冬の桜は雪の中さくらの色をたくわえており〉〈よろこびの中へ中へと逃げてゆく人を追ってはいけません。雪〉〈ほら虹がきれいだよって外に出る虹のつかまえ方は知らない〉のような、抒情的な優しさと発見のある歌。2019/08/12
青色
1
「雪になりきれぬ弱さを真剣に地上へぶちまけろよみぞれ」「春と呼び秋と呼ぶのはだんだんと夜空が甘くなりゆく過程」「深いけど見えない傷を負っているわれよ見えない傷なら見るな」「永遠に待合室にいるような気持ちで晴れた夏空にいる」特に好き2021/02/26
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