コスモス叢書
泥と青葉 - 歌集

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 205p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784861982651
  • NDC分類 911.168
  • Cコード C0092

この商品が入っている本棚

1 ~ 1件/全1件

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kaizen@名古屋de朝活読書会

44
#小島ゆかり #短歌 #現代女性歌人展 六月の女はしろい川原なり素肌に暑き陽ざしあつめて 散水の蟻におよびて蟻に載る粒の太陽くだけちりたり 夜のあめ豪雨となりていちじくを食む口中にあふれくる雨 無花果はふくれやまずも外の闇の水びたしなる大雨の夜 いちじくが語る遠野の物語こよひ豪雨の音にまぎれて 水面に口ふれて呑む鳥獣ははじめから地球球体説なり2016/07/24

しなの

8
小島ゆかりさんのうたが好き。だけど真似してこんな風につくれない。2016/09/07

おはぎ

6
タイトル『泥と青葉』は「(略)…ほかには言葉が見つかりませんでした。うまく説明できませんが、この世を生きる命への恐怖と畏怖、そして生き続ける命への祈りと言ったらよいでしょうか。」とのこと。読んでいるうち、泥とは何か、青葉から何かが感覚的に理解できるほど、これ以上ないタイトルだと思う。「青葉」に宿る生命力が随所に見られ、印象的だった。「とどまらぬ命の途中湯気もうもう鱈も豆腐もましろく煮えて」「どの窓をあけても紺の夜空あり苦手なままの空間図形」「眼に見えぬ空気の球の弾力のからだにふれて春は来にけり」2022/10/28

Cell 44

4
「病む父を鞄につめて旅立ちぬもみぢうつくしからん津軽へ」「亡き人を恋ひつつをればバスが来てわれはこの世のバスに乗りたり」「はるの雲なつの雲あきの雲ふゆの雲、消しゴムが見つかりません」「いま何か踏んだ気がしてふりかへる街路はしろい春のまひるま」「歌詠むは天の寒さをゆくごとく 行雁(ゆくかり)、帰雁(かへるかり)ありわれに」父親の介護や震災という事件が重々しく乗りかかっている歌集。だが、ここからは喪失感というよりも原形質の、「泥」の量感を持った不安を感じた。また、随所に作者の表現の苦闘が窺われ、面白かった。2016/03/17

浦和みかん

2
震災や家族のことなど、作者にとっては人生の一つの岐路なのだろうか、人生の逡巡のようなものを感じる価値のある歌集だと思った。一作者としては、少々俗っぽい言葉の使い方とか仮名遣いが自在でいいなあ、と。<大小の鬱がひしめく青葉闇ちちのからだを後ろから抱く><二つ三つ出てとどまらぬ母の咳われはいくつもしじみ貝吸ふ><父はもう家を忘れて木犀の秋、ふりむかずわたしは帰る>2018/08/27

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/8063321
  • ご注意事項

最近チェックした商品