内容説明
2006年6月から2008年6月までの二年間、青磁社HP上「週刊時評」にて毎週月曜日時評が更新され続けた。執筆を続けたのは時代を代表する大辻隆弘、吉川宏志の二人の論客。価値基準の喪失、読みのコードの多様化、そして感覚のズレ―、失語状態に陥りつつある現状において、ときに対峙しつつも対話を深めた全102篇を完全収録。歌壇に新たなムーブメントを起こした青磁社HP「週刊時評」、大辻隆弘×吉川宏志が一冊に。
目次
第1章 二〇〇六年六月‐十二月(歌の読みの危うさ;後期・山中智恵子 ほか)
第2章 二〇〇七年一月‐六月(読者の位相;陰影に身を添わせて ほか)
第3章 二〇〇七年七月‐一二月(塚本邦雄と春日井建の九〇年代;「感心」と「感動」は別物か ほか)
第4章 二〇〇八年一月‐六月(「境涯」・「修辞」・「脱力」;リアルと実感 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kaizen@名古屋de朝活読書会
18
#感想歌 wikiに書こう、wikiは引用するんじゃなく書く場所なんです本引用し 斜め読み裏読み立ち読み逆さ読み一行飛ばし一頁飛ばし これからだネット短歌のシステムはhttp://mstdn.jp(マストドン)なら容易に拡張 2017/04/28
はち
4
現在の歌壇で作、論ともに最高峰の二人が交代で行った時評。ときに小高氏を巻き込み、ときにふたりの論争が始まる。予定調和のない展開。近過去となった時代の評。今どのようなスタンスで歌を詠むか、真剣に考えたい。終盤自然論で議論が高度になりすぎてついていけなくなった。一行一文字たりとも蔑ろに出来ない。2015/04/12
浦和みかん
2
短歌の時評集。良い時評とは、たとえ取り上げられている作品や問題を知らなくても、評者がそれに向き合っていく中で普遍的なものが浮き上がってくるものである。また、いくつかある論争の中では評者らの熱量が感じられて面白い。2016/02/06