内容説明
「美しい国」「品格ある国家」「格差社会」の陰で排除される「ノイズ」とは、なにか。大好評「80年代地下文化論」に続き、またも東大駒場キャンパスの密室で悩み、思い出しつつ語る見返りのない講義録。
目次
「80年代地下文化論」からあらためて考えたこと
酒鬼薔薇事件とニュータウン
対談1「オタクの終わり」(ゲスト・岡田斗司夫)
えーと…なんの授業をしてるんだろう
やむにやまれず「外部」に逸脱してしまう者たち
対談2「月収一〇〇〇円の幸福」(ゲスト・原宏之)
「異形なもの」に対する眼差し
それを「ノイズだ」と言うなにものかがいる
対談3「漂白されるテレビ」(ゲスト・土屋敏男)
少数であることによって不当に排除される者たち
ひどく現在的な貧しさについて
「排除されたなにものか」にも、強い純粋性があるかもしれない
ノイズとしての人間―『幽閉者』をめぐって(ゲスト・足立正生)
著者等紹介
宮沢章夫[ミヤザワアキオ]
劇作家・演出家・作家。1956年静岡県生まれ。多摩美術大学中退。1990年、作品ごとに俳優を集めて上演するスタイルの「遊園地再生事業団」の活動を開始し、『ヒネミ』(92年)で岸田戯曲賞を受賞。10年間で十数本の舞台作品を発表後、2000年から3年間の休止期間に入る。2003年『トーキョーボディ』、05年『トーキョー/不在/ハムレット』を上演。戯曲+映像+パフォーマンスのコラボレート作品を発表し、第二期ともいうべき活動を開始。06年は『モーターサイクル・ドン・キホーテ』『現代能楽集 鵺/NUE』など外部公演の作・演出を手がける。エッセイ・評論など執筆も多く、「考える人」(新潮社)、「MAC POWER」(アスキー)などに連載を持つ。1999年に発表し芥川賞候補にもなった『サーチエンジン・システムクラッシュ』や『不在』(ともに文藝春秋)などの小説も発表。教育活動にも熱心で、京都造形芸術大学、早稲田大学、東京大学などで授業やワークショップを行なう。その他、活動は多岐にわたる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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