内容説明
名著『バナナと日本人』から約40年。バナナを通して世界と日本を見つめ直す。日本人がもっとも多く食べている果物バナナはなぜ安いのか?主な輸入先のフィリピン・ミンダナオ島では農薬の空中散布による健康被害や不公正な多国籍企業の活動が目立つ。栽培・流通の知られざる現状を詳細に調査し、エシカルな消費の在り方を問いかける。
目次
序章 そんなバナナ!?―意外と知らないバナナの話
第1章 ミンダナオ島で輸出用バナナが作られるようになるまで
第2章 フィリピンでバナナはどう作られているのか
第3章 バナナ産業で働く人たちの現実
第4章 バナナ園の農薬散布―毒か薬か
第5章 多国籍アグリビジネスの再編と新たな「規制」枠組み
第6章 バナナが食卓に届くまで―サプライチェーンの徹底解剖
第7章 私たちはどう食べればよいのか―エシカルな食べ方へ
著者等紹介
石井正子[イシイマサコ]
立教大学異文化コミュニケーション学部教授。専門:フィリピン研究、紛争研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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今庄和恵@マチカドホケン室/コネクトロン
15
アニマルライツの動画をみたら(しばらくは)肉を食べれなくなるのと同じで(同じなのか?)これを読んだらバナナが2つの理由で食べられなくなります。1:大規模プランテーションにより栽培地の住民を搾取しつくしている。2:発達障害にも影響ありと指摘されている農薬害の凄まじさ。先っちょを切り取って皮を剥いても薬害は回避できないのだ。これは衝撃でした。日本に着いてからの追熟のシステムにより供給量がコントロールされているという、それだけ手間ひまかけてあの値段でどこで利益を得るかとなると、栽培地の締め付けしかなく。そこ▶︎2022/01/10
アーク
5
身近な果物であるバナナについて知らなかったことが山ほど収められている一冊。日本に輸入されているフィリピン産のバナナがほとんどミンダナオ島で生産されていることとか、巨大な利権となっているバナナを取り巻く企業同士の競合とか。そしてプランテーションで働く現地の方が搾取される構図は古今東西を問わずにあることなんだな。今度バナナを手に取る時に思い出しそうな一冊。2020/10/31
宮崎太郎(たろう屋)
2
多国籍企業によって安価なバナナ(果物)が世界中に運ばれる。その背後には搾取される生産者、農薬過剰で生産量重視、健康をかえりみないプランテーションが大きくなった。コーヒー一杯の現実と同じ事が繰り返される。消費者が求め続ける限り流れは変わらない。ささやかなものだけどフェアトレードをもっと広めたい。2024/03/27
takao
2
ふむ2021/05/22
chuji
2
久喜市立中央図書館の本。2020年8月初版。書き下ろし。「安い、食べやすい、美味しい」バナナをおいらは毎日1本食しています。良いバナナと悪いバナナがあるようだが、スーパーで売っているバナナはどれが良いものか悪いものか情報が無く判別できない。「たかがバナナ、されどバナナ。身近な果実であるバナナを通して、日ごろ、自分たちがお金を出して買っている食べ物について、改めて意識してみることから始めてほしい。」食の安全性ですねぇ~。装丁もパット見綺麗ですが、よく見ると不気味です。2020/10/10