内容説明
水は人権であり自治の原点だ。商品ではない!再公営化に向かう世界のトレンドを紹介し、逆行する日本の水道政策の意図を暴き、民営化に反対する市民の声を伝え、住民による管理と公共サービスの再生をめざす。
目次
第1章 世界の水道民営化の三〇年―「人権としての水」を確立してきた国際市民社会の闘い
第2章 公共サービスの再公営化が世界のトレンド
第3章 世界と逆行する日本の政策
第4章 民営化が懸念される自治体
第5章 「公共の水」をどう維持し、発展させるか
エピローグ 水は自治の基本―未来の公共サービスを創るために
著者等紹介
内田聖子[ウチダショウコ]
1970年生まれ。大分県別府市出身。NPO法人アジア太平洋資料センター(PARC)共同代表。出版社勤務などを経て2001年よりPARCに勤務。TPPなどのメガFTAやWTOなどの自由貿易・投資協定のウォッチと調査、提言活動、市民キャンペーンなどを海外の市民社会団体とともに行う(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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かおり
27
かなり前に水道関係の仕事だったので、ものすごーくわかります。本当に問題だらけ。その頃から先は見えていたのに、うちの町はまだ「見えてない」計画のままで···焦って読みました。2020/03/28
山口透析鉄
24
市の図書館本で。水道民営化の諸問題について、海外の先行事例の失敗と再公営化の事例や国内での動向等、分かり易くまとまっている良書でした。 故・宇沢弘文・内橋克人両氏の岩波新書等を読めばコモンズ、公共財の重要性等、分かるかとも思います(斎藤幸平氏の本とかでも同様でしょう)。だが実際はマスメディアの劣化にも気付かぬままになっている事例も多いです。 御多分に洩れず、小泉・竹中路線の不毛がここでも暴露されています。 以前にも橋本淳司氏の本でも書きましたが、麻生太郎の娘婿がヴェオリア社の役員ですから。(以下コメ欄に)2024/05/09
乱読家 護る会支持!
7
いわゆる水道民営化反対の立場の本。 電気、都市ガスのインフラは、電線・ガス管を引けば、費用・品質・サービスで大きな地域性は少ない。しかし、水道については水源、水質、インフラ整備費用など、地域性がハッキリと現れる。 賛否両論を学んだ上で自分なりの考えを持ちたいのだが、種子法も水道民営化も、情報が少なく、、、判断保留。2020/02/18
suzannhw
2
水道法改正による水道事業における民間参入の是非を海外の民営化事例をもとに問うている本である。 問うているといっても民営化のリスク(設備投資の手抜き、独占経営、資本の海外流出など)に焦点が当てられているので、基本的には非という論調である。 国(国民)は水道を公共の福祉として扱うか、営利的なサービスとして扱うのか決めるべきであると思う。 民営化はPFIがもとになっているのだが、本書を読んでみて、公共サービスに民間が噛むってそもそもどうなんだろうと思ったので他の事例も見てみたい。2020/03/14
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- PRIMO Vol.12 PRIMO