内容説明
お金を増やせば私たちは幸せになれるのか?お金を社会のために役立たせるには、どうすればよいか?ドイツの社会的金融機関GLSグループを詳しく紹介・考察し、日本での可能性を探る。
目次
プロローグ いま、再び、お金を根源から問い直す
第1章 市民の要求から誕生した貸すことと贈ることのための共同体(GLS)
第2章 お金についての新しい考え方
第3章 「地球を世話する」農業への支援
第4章 「電力の反乱者」への支援
第5章 GLSグループの独特な運営方法
第6章 日本におけるお金との新しい付き合い方
エピローグ 社会的金融機関の可能性
著者等紹介
林公則[ハヤシキミノリ]
1979年生まれ。2007年10月、一橋大学大学院博士課程(経済学研究科応用経済専攻)修了。現在、一橋大学大学院経済学研究科特任講師(自然資源経済論プロジェクト)。特定非営利活動法人化学兵器被害者支援日中未来平和基金理事。准認定ファンドレイザー。専門は環境経済学と環境政策論。主著に『軍事環境問題の政治経済学』(日本経済評論、2011年、経済理論学会奨励賞、環境経済・政策学会奨励賞、平和研究奨励賞)、主論文に「定常経済における社会的金融機関の役割―贈与の役割について」(幸せ経済社会研究所、2015年、定常経済懸賞論文優秀論文)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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nranjen
5
ドイツのGLS信託財団の設立から発展、そのしくみを述べた本。素晴らしい。いま、すごいと思うドイツの数々の活動はこの財団にからんでいたんだことが判明。この財団では贈与を一旦プールし、社会全体の利益を求める有意義な事業に無利子無担保で融資している。シュタイナー学校の分校の設立から始まった事業は、有機農業共同体、電力事業への出資に及んでいる。こういう社会にしたい、というベクトルを贈与する人、事業を行う人で実現していけるのがすばらしい。2019/12/18
中村蓮
0
クラウドファンディングのような仕組みだが、成功事例だとどこも、気のいいお金持ちからの寄付があっていることを考えると、一般的な市民だけで持続することは難しいと思いました。2024/12/19