出版社内容情報
アベノミクスの第三の矢・国家戦略特区の構想と問題点をわかりやすく解説。「世界一企業の活動しやすい国」で暮らしはよくなるのか?
1 国家戦略特区と新自由主義――アベノミクスの誤り 浜矩子(同志社大学教授)
2 国家戦略特区は何をめざしているか 奈須りえ(前・大田区議)
3 憲法・住民自治からみた国家戦略特区 新里宏二(弁護士)
4 雇用の規制緩和 東海林智(毎日新聞社記者)
5 混合診療で医療はどうなる? 藤末衛(全日本民医連会長)
6 「儲かる農業」に動員される農村 大野和興(農業ジャーナリスト)
7 韓米FTAで起きたこと――日本の将来は韓国にあり 郭洋春(立教大学教授)
8 TPPと国家戦略特区――押し寄せる自由貿易の波 内田聖子(パルク事務局長)
目次
第1章 新自由主義と国家戦略特区
第2章 国家戦略特区とは何か
第3章 国家戦略特区と住民自治
第4章 ルールなき雇用社会は許せない
第5章 医療に市場原理はなじまない
第6章 「強い農業」に動員される農村
第7章 米韓FTAで起きたこと―日本の将来は韓国にあり
第8章 TPPと国家戦略特区は新自由主義の双子―いのちの市場化の波を押し返すために
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
読書家目指すで
3
国家戦略特区で現実的に起こりうる欠点を雇用、医療、労働の観点から考える。また、この本では米韓FTAやTPPも検討しているので、結構太っ腹な本。内容は、米国による社会的基盤(保険制度、労働法)の徹底的な破壊だ。これは知らなかった、では済まされない最近tppが大筋合意したという事で、私たちの生活基盤は確実に揺れ動くであろう。2015/10/10
yyrn
1
世界と渡り合うためには日本もTPPに参加する必要があると考えていたが、この本を読むと日本市場がアメリカ資本の草刈り場になる恐れがあることを知らされた。本当に資本主義経済とは弱肉強食の世界だな。雇用も、医療も、農業も、特に農業では農地も、畜産も大企業や海外資本にやられるかもしれない。それを承知の上でTPPの土俵に上がろうとしている日本に勝算はあるのか?米韓FTAのせいで韓国経済は大きく損なわれたとこの本では指摘するが、果たして日本は?2015/05/09