対中外交の蹉跌―上海と日本人外交官

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  • サイズ B6判/ページ数 332p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784861852411
  • NDC分類 319.102
  • Cコード C0036

内容説明

戦前期上海は、総領事館とともに公使館・大使館事務所が設置され、日本の対中外交上の一大拠点であった。当時の文官エリートであった日本人外交官は、なぜ中国との関係を外交的にマネージすることができず、陸軍に代表される武官エリートに翻弄され、あるいは時として同調することによって、明治の開国以来、近代日本が血と汗をもって営々と築き上げて来た遺産を崩壊されてしまったのか。上海で活躍した代表的な外交官の足跡を辿ることにより、彼らが果たした役割と限界、そして対中外交の蹉跌の背景と、現代の日中関係に通じる教訓と視座を提示する。

目次

第1章 私と中国、そして上海(外務省を志したきっかけ;私と中国の関わり ほか)
第2章 上海租界の発展と日本(上海の歴史;戦前期上海と日本の関係 ほか)
第3章 戦前期上海と日本人外交官(戦前の上海総領事館;上海と日本人外交官 ほか)
第4章 最近の上海と日本(戦後の上海総領事館と個人的思い出;現総領事公邸の歴史 ほか)
第5章 今後の日本外交と中国(私と戦後日本社会の発展過程;最近の日中関係 ほか)

著者等紹介

片山和之[カタヤマカズユキ]
在上海日本国総領事。1960年、広島県福山市生まれ。1983年、京都大学法学部を卒業し、外務省入省。香港中文大学、北京語言学院(現北京語言大学)、北京大学、スタンフォード大学に留学し、1987年、ハーバード大学大学院修士号取得(MA地域研究)、2011年、マラヤ大学大学院博士号取得(PhD国際関係論)。外務省アジア局中国課首席事務官、内閣官房副長官(事務)秘書官(橋本内閣)、在中国日本国大使館一等書記官、在米国日本国大使館参事官、外務省経済局国際エネルギー課長、大臣官房広報文化交流部文化交流課長、在マレーシア日本国大使館公使(次席)、在中国日本国大使館公使(経済部長)、在ベルギー日本国大使館公使(次席)、2013年、在デトロイト日本国総領事、2015年、在上海日本国総領事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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BLACK無糖好き

19
著者は在上海日本国総領事の現役外交官。戦前から上海で活躍した代表的な外交官の足跡を辿り、これまでの日中関係の歴史の一端を紐解くとともに、著者自身の経歴や経験などを通し、対中外交のあり方を論じる。とりわけ松本重治の回想録『上海時代』でも取り上げられた外交官、有吉明に関するエピソードは、改めてこの人物の魅力を再認識させられた。◇今後の日中関係についも、戦略的互恵関係をいかに推進して行くか、課題は多いものの、様々なレベルでの交流を蜜にしながら、なんとか上手くマネージして行くしかないのだろう。2018/05/12

NAGISAN

1
現地中国人とも活発に交流された片山前上海総領事(現ペルー大使)のご著書。明治3年の仮領事館設置以降、幕末の志士から職業外交官に移る、それぞれの時代時代の上海総領事の息吹が感じられる。公使(大使)ではない総領事の軌跡を記述したものであり、『蹉跌』という書名には少し引っかかったが、各時代の上海総領事の理念や行動について、外電などの一次資料をも丹念に読み進めた将来にも残る資料として、書架に残しておきたい。2022/03/09

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