線が血を流すところ

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  • サイズ 46判/ページ数 306p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784861829512
  • NDC分類 933
  • Cコード C0097

出版社内容情報

サーガはここから始まった!
高校を卒業して自立のときを迎えた双子の兄弟を取り巻く貧困、暴力、薬物――。そして育ての親である祖母への愛情と両親との葛藤。全米図書賞を二度受賞しフォークナーの再来とも評される、現代アメリカ文学を牽引する書き手の鮮烈なデビュー作。


「デビュー作には作家のすべてがある」とはよく聞く言葉だが、本作はただ舞台が同一であるという以上に、後続の作品でも一貫して問われ続ける貧困、人種、格差といったテーマや問い、そして事物(人物、動物、植物、薬物)が描かれている。
(…)南部の黒人コミュニティが人種差別だけでなく階級的にも虐げられた存在であることは、カトリーナ後の政府の対応の酷さによりアメリカのみならず世界中が知ることになった。しかし、そもそもカトリーナ以前から南部の黒人たちが過酷な生を強いられていることを『線が血を流すところ』は痛烈に突きつける。その筆致に、一切の容赦はない。
青木耕平「狼の街(ウルフ・タウン)の慈悲深い神――ジェスミン・ウォードが刈り取れなかった男たち」より

内容説明

高校を卒業して自立のときを迎えた双子の兄弟を取り巻く貧困、暴力、薬物―。そして育ての親である祖母への愛情と両親との葛藤。全米図書賞を二度受賞しフォークナーの再来とも評される、現代アメリカ文学を牽引する書き手の鮮烈なデビュー作。

著者等紹介

ウォード,ジェスミン[ウォード,ジェスミン] [Ward,Jesmyn]
ミシガン大学ファインアーツ修士課程修了。マッカーサー天才賞、ステグナー・フェローシップ、ジョン・アンド・レネイ・グリシャム・ライターズ・レジデンシー、ストラウス・リヴィング・プライズ、の各奨学金を獲得。『骨を引き上げろ(Salvage the Bones)』(2011年)と『歌え、葬られぬ者たちよ、歌え(Sing,Unburied,Sing)』(2017年)の全米図書賞受賞により、同賞を2度にわたり受賞した初の女性作家となる。そのほかの著書に小説『線が血を流すところ(Where the Line Bleeds)』(本書)および自伝『わたしたちが刈り取った男たち(Men We Reaped)』などが、編書にアンソロジー『今度は火だ(The Fire This Time)』がある。『わたしたちが刈り取った男たち』は全米書評家連盟賞の最終候補に選ばれたほか、シカゴ・トリビューン・ハートランド賞および公正な社会のためのメディア賞を受賞。現在はルイジアナ州テュレーン大学創作科にて教鞭を執る

石川由美子[イシカワユミコ]
琉球大学文学科英文学専攻課程修了。通信会社に入社後、フェロー・アカデミーにて翻訳を学び、フリーランス翻訳者として独立。ロマンス小説をはじめ、「ヴォーグニッポン」、「ナショナルジオグラフィック」、学術論文、実務文書など、多方面の翻訳を手掛ける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

藤月はな(灯れ松明の火)

58
本書は作者のデビュー作でもあり、ボア・ソバージュ・サーガの第一作目である。アメリカで刊行された順とはさかしまになったが、読めて嬉しい。反面、表紙にいる蝗らしき絵に不安を抱きつつも頁を繰る。両親にネグレクト同然の扱いを受けながらも祖母、マーミーの愛情を受けて育ったジョシュアとクリストフ。彼らはバスケットボールではいいコンビで以心伝心な双子だった。二人の名を合わせると救世主の名になるのが意味深だが、世間はそんな彼らの絆を引き裂く。「運に恵まれた」とされるジョシュアの葛藤と躊躇い、「誰からも選ばれない」2023/03/08

天の川

56
デビュー作。ウォードが生まれ育ったミシシッピ州南部の低地に暮らす人々が丁寧に描かれる。祖母に慈しまれて育った双子の黒人兄弟が高校卒業と同時に直面する差別。就職が決まらなかったクリストフの傷つけられた自尊心。貧困の中で薬物の売人にならざるを得なかった切なさ。港湾荷役で疲れ果てつつ、クリストフへの接し方に戸惑うジョシュア。現れたジャンキーの父親。彼らの苦しみは南部の黒人達が累々と味わわせられた苦しみだ。作者は登場人物たちを愛するあまり、酷い経験をさせられなかったと語るが、それでも読んでいてとても苦しかった。2023/02/23

ヘラジカ

53
ジェスミン・ウォード、デビュー作。先に翻訳が発刊された『骨を引き上げろ』と『歌え、葬られぬ者たちよ、歌え』が既にして古典の如き風格を漂わせている現代アメリカ文学屈指の傑作であることを考えると、まだフィクションはこのデビュー作を含めて三作しか書き上げていないというのは驚くべきことだ。ストーリーラインはやや平板で、物語が持つ力強さは他二作と比べると流石に見劣りするものの、双子の繊細な心理描写や、ボア・ソヴァージュを構築する緻密な筆致はとても美しい。流れるように読み終えてしまう良作だった。自伝の邦訳も楽しみだ。2022/12/22

ハルト

10
読了:◎ ボア・ソバージュ三部作の第一作目で、デビュー作。これがデビュー作とは恐ろしい。現代アメリカ文学にまだ四十五歳の若さで、名を刻んでいるのではないか。▼そんな彼女にとって世界は残酷で、だからこそこの作中では彼女は、慈悲の神となる。黒人であるという人種と格差、貧困。親や双子との確執。薬物。黒人コミュニティでどん詰まりになりながらも、彼らはまだ最底辺へは堕ちてはいない。祖母の愛情が支えてくれているから。重苦しい中に柔らかさがあるのは、愛情という深みのせいかもしれない。2023/04/06

門哉 彗遙

7
ジェスミン・ウォードの2冊目をやっと読了した。数週間を共にした「線が血を流すところ」。 数ページしか読めない日もあったが、本を開くとミシシッピ川下流の湿地帯が広がり、茶色い川が流れている架空の町「ボア・ソバージュ」があり、18歳の双子の兄弟ジョシュアとクリストフと祖母のマミーが生活をしている世界がそこにはあった。ボア・ソバージュを少し離れるとKKKが跋扈していて、貧困、差別、暴力、薬物が当たり前にようにあり、翻弄されてはいるけれど、最後の一線は超えない日常の家族愛が描かれていた。 2023/03/18

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