出版社内容情報
芸術の起源にして社会の起源に立ち還り、人間の思考と表現のあり方を相対化しつつ新たな創造と思索の地平を切り拓く!
人間の思考と存在の起源!
『縄文論』として一冊にまとめられたこの書物は、人間にとって原型的な存在の在り方、原型的な思考の在り方、原型的な表現の在り方を問うたものである。人間の根源、そのはじまりの場所を問うた書物である。同時に、それは「私」というこの固有の存在の起源、そのはじまりの場所を問うた書物ともなった。
なぜわれわれはこのように在り、このように思考し、このように表現しているのか。おそらく、そうした巨大過ぎる問いに、明瞭な答えなど出せるはずはない。しかし、そうであるがゆえに、あるいは、そうであるからこそ、人間は問うことやめることができないのだ。狭義の批評とは、そして広義の表現とは、そのような営為であったはずだ。
(「はじまりの場所へ――『縄文論』序」より)
内容説明
芸術の起源にして社会の起源に立ち還り、人間の思考と表現のあり方を相対化しつつ新たな創造と思索の地平を切り拓く!
目次
草原論(燃え上がる図書館;草原へ ほか)
場所論(思考の錬金術;無の大海 ほか)
縄文論(縄文とラスコー;石を打ち砕くヒト ほか)
南島論
まれびと論(まれびとと祝祭―呪術の論理/折口信夫の「まれびと」岡本太郎の「太陽の塔」)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
tamami
58
本書の冒頭、「この書物は、人間にとって原始的な存在の在り方、原型的な思考の在り方、原型的な表現の在り方を問うたもの」とある。以下ホモ・サピエンスの登場に始まり、人類史上の主要な出来事にトピック的に焦点をあて、広範な論者の説を援用、場所論、縄文論、南島論、まれびと論と展開していく。ごくたまに、各説の関連がほの見えたと思った途端に、難解な文章に行く手を阻まれる。子供の頃から言葉について考えてきたという著者の考えを理解するには、末尾の人名索引にある膨大な論者の著作に親しみ、慣れることが必須であるとの結論に到る。2024/03/03
takao
2
ふむ2023/06/06