出版社内容情報
出鱈目の鱈目の鱈を干しておいて
夜ごと夜ごとに
ひとつ食うかな
谷川 〔詩は〕やっぱりフッと出てくるんですか、なんにも考えないで。
鶴見 そう。これから仕事しようとかそういうのじゃなくて、フウッと出てくるというものが詩になっているわけ。
「俊」の一字に結ばれた詩人と、元教え子の詩人を相手に、縦横無尽に詩を語る。
鶴見俊輔生誕百年に甦る、幻の鼎談!
鶴見俊輔、生誕百年。できのよくなかった「へんな生徒」に何事かできることはないか。そこで思い出されたのが筐底の稿だった。あらためて目を通しかさねて読むほどに思いをつよくした。これをこのまま眠らせて置いてはいけない。すぐさま谷川さんに相談してみると、まったくの同意見であった。というしだいでこの稿が日の目を見ることになった。
「歌学の力」と。初出誌にそう表題された。透徹の目だ。ここには鶴見俊輔が長年にわたって、詩に込めてきた深い思いのほど、あまさず存分に吐露披歴されている。できうるなら多くの方の手に取られたくある。
(本書・正津勉「後書」より)
内容説明
「俊」の一字に結ばれた詩人と、元教え子の詩人を相手に、縦横無尽に詩を語る。鶴見俊輔生誕百年に甦る、幻の鼎談!
目次
歌学の力(詩集『もうろくの春』;エリセーエフは私より日本語がうまかった;人間語→生物語→存在語;出鱈目の鱈目の鱈を…;詩の話 ほか)
鶴見さんの詩心をより深く知るためのアンソロジー(選集の編者 正津勉;鶴見さんは、詩人である;天野忠;新平の漢詩;退行計画―抄 ほか)
著者等紹介
鶴見俊輔[ツルミシュンスケ]
1922‐2015。東京生まれ。哲学者。東京高等師範附属小学校卒業後、十代で渡米し、42年、ハーヴァード大学哲学科卒業。同年、日米交換船で帰国後、海軍バタビア在勤武官府に軍属として勤務。46年、都留重人、鶴見和子、丸山眞男らとともに雑誌『思想の科学』を創刊。60年、市民グループ「声なき声の会」を創設、65年、べ平連に参加。京都大学助教授、東京工業大学助教授、同志社大学教授を経て、七〇年代以降は教職に就かず、在野の哲学者として過ごす
谷川俊太郎[タニカワシュンタロウ]
1931年東京生まれ。詩人。第一詩集『二十億光年の孤独』(1952年)の刊行以降、詩と並行して絵本、翻訳、脚本等、ジャンルを超えて活躍。『日々の地図』(読売文学賞)、『シャガールと木の葉』(毎日芸術賞)、『詩に就いて』(三好達治賞)など、著書多数
正津勉[ショウズベン]
1945年福井県生まれ。詩人・文筆家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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