出版社内容情報
徳川三代(家康・秀忠・家光)を支え、江戸の繁栄を基礎づけた謎多き僧形の大軍師!
比叡山焼き討ちから、三方ヶ原の戦い、本能寺の変、小牧長久手の戦い、関ヶ原の戦いと続く戦国乱世の只中を一〇八歳まで巧妙に生き抜き、江戸二六〇年の太平を構築した無双の傑物が辿る壮大な戦国絵巻。
【書き下ろし歴史長篇小説】
2023年NHK大河ドラマ『どうする家康』関連商品!
戦国時代を終結させ、戦のない天下太平の世を築く、これは途方もないヴィジョンと思われるのだが、これを実現させた徳川家康の馬印の幟旗には「欣求浄土」の文字があった。/その家康を支えた謎の人物の姿を、一種の夢物語として楽しんでいただければ幸いだ。(著者「あとがき」より)
内容説明
徳川三代(家康・秀忠・家光)を支え、江戸の繁栄を基礎づけた謎多き僧形の大軍師!比叡山焼き討ちから、三方ヶ原の戦い、本能寺の変、小牧長久手の戦い、関ヶ原の戦いと続く戦国乱世の只中を一〇八歳まで巧妙に生き抜き、江戸二六〇年の太平を構築した無双の傑物が辿る壮大な戦国絵巻。
著者等紹介
三田誠広[ミタマサヒロ]
1948年、大阪生まれ。早稲田大学文学部卒業。77年『僕って何』で芥川賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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onasu
15
戦国末期、英傑を訪ね(忍び込み)ては付かず離れずの関係を築いていく僧侶がいた。叡山の修行僧・随風(天海)は、そうして戦乱を鎮めうる者を探していた。 築城中の坂本城の足場から始まり、武将に留まらず、公家の近衛前久、一向宗の顕如等も交えて進められる話しは、各々の考えを聞いて回っているようで期待が高まったが、中盤からは都合のいい黒子のようで…。 あとがきによると、この人物、江戸期になってからは足跡がうかがえるそうで、話しもそこに到ると実在感が。そこまでは作者の夢想を描いたとあるのも最後に安心しました。2022/12/31
一笑
12
久しぶりの時代物だったけれど面白かった。天海は実は本能寺の変後の明智光秀だ、という説もあるぐらい有名な人。でも以外と史実はわかっていないことがわかった。信長、秀吉、家康、秀忠、家光に関わり、戦のない世、死後の世界ではなくこの世に極楽浄土をつくることを目指した天海の生き様が鮮やかに描き出されている。この時代の有名人ほとんどが登場するので飽きずに読み進むことができた。家康のしかめ像、天海が描いたとは思わなかった。「僕って何」で芥川賞を取った三田誠広さん。歳をとってからは、こういった本ばかり書いているね。2023/04/11
田中峰和
6
結局、長生きしたものが勝ち。信長、秀吉、家康の3人では、家康が最も長生きして、そして勝利した。その家康より年長で、歿後20年以上も生きていた天海は、歴史上もっとも長生きし、成功したものなのか。信長の比叡山焼き討ちを逃れた天海は、上の3人以外、信玄、光秀など天下を狙う数々の武将と会ってきたが、彼のめがねにかなう者は見つからない。秀吉は天下を取ったが、朝鮮征伐は大名に土地を与えるためというより、戦死によって数を減らすことが目的だったとの説。歴史のなかに、いろいろな説を紹介されて、それも時代小説の楽しみ。2023/08/19
oyasan
5
歴史書をなぞってるような中身だったが、あとがきを読むと、それも作者の意図どおりということか。2022/10/06
ちゃんどら
2
家康の知恵袋、天海大僧正が主人公。天海自身の物語というより天海を通して三英傑から戦国時代の終わりを描いたような作品。作中では天海は色んなところに忍び込んで武将達と会談しますが果たして本当にそんな事が出来るのか…2022/08/20