出版社内容情報
「救世主」とは、外側からやってくる反逆者である。
危機を乗り越える〈強い〉政治家、歴史を作り出す指導者とは?
ポピュリズム全盛の時代、コロナ禍で再び注目を浴びるその生涯から、民主主義とリーダシップの在り方を考え、現代への教訓を示す。
フランス政治史の大家が、生誕130年、没後50年に手がけた最新決定版評伝!
二度の危機(対独戦の敗北、アルジェリア戦争)と度重なる暗殺をくぐり抜けたその生涯を、重要な歴史の転換点に絞って、活写!
「一つ、書いておきたい。すぐに、ミシェル・ヴィノックの『シャルル・ドゴール』を開いていただきたい。(中略)簡潔な言葉と、特筆すべき繊細な心理分析により、著者は服従を拒否する将軍の騎士的な叙事詩を描いている」(「レクスプレス」誌)
ヨーロッパの主要紙誌
(「テレラマ」誌、「レクスプレス」誌、「ル・ソワール」紙、「アトランティコ」等)絶賛!
内容説明
「救世主」とは、外側からやってくる反逆者である。危機を乗り越える“強い”政治家、歴史を作り出す指導者とは?ポピュリズム全盛の時代、コロナ禍で再び注目を浴びるその生涯から、民主主義とリーダシップの在り方を考え、現代への教訓を示す。フランス政治史の大家が、生誕130年、没後50年に手がけた最新決定版評伝!
目次
1 序―ドゴールという男
2 軍人精神―第一次大戦前後
3 自由フランスをつくる―第二次大戦
4 追放―戦後から第四共和制まで
5 復帰―第五共和制
6 退場―一九六八年五月から一九六九年四月二七日まで
7 伝説の中のドゴール―何者だったのか?
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
どんぐり
98
第二次世界大戦中のフランスでペタン政権の敗北宣言に反対し、ロンドンに亡命して自由フランス(後のフランス共和国臨時政府)の指導者となった一将校が、パリの解放後、凱旋門前でパレードを行っている写真。戦後大国としてのフランスを取り戻し、アルジェリア戦争と脱植民地化、不安定な政治状況からフランス第五共和政を作り上げたフランス大統領シャルル・ド・ゴール(1890-1970)である。フランスの歴史においてド・ゴールはどう位置づけられるのか、救世主、結集者、偉大な立法者としての姿を浮き彫りする。→2022/01/14
Porco
14
第二次大戦中から戦後のフランス史について、ほんとんど知らなかったのですが、現在のフランスを見るときのベースとして不可欠ですね。そして、ドゴールはものすごく重要な人物なのですね。本書は事実の記述が少なめで、ドゴールの考えについての記述が中心なので、事実を知らない私にはわかりにくいところもありましたが、勉強になりました。2023/05/13
バルジ
5
「偉大なるフランス」をその身を以て実現させた大政治家ドゴールの評伝。本書では不屈の精神と運命でフランス再興の父となったドゴールの姿を余すことなく描いている。本書におけるドゴールはとても「いい人」ではない。傲慢で頑固、とても民主主義的な価値観を保っているとは言えず、ローズヴェルトからは「独裁者見習」と評される始末である。しかしそんな彼はフランスを2度も1つに結集させた救世主であった。「君主主義的共和制」と揶揄される第五共和政を築き、救世主のみならず優れた立法者としてもその足跡を歴史に刻んだ。2022/09/09
junkoda
1
読んでいる間は流れるような文章にこれは良いと思ったものの、読み終わってしまうと200ページという分量に物足りなさを感じる。2023/01/21
shusaw
1
ドゴール[1890-1970]は自ら述べるように軍人であって政治家を志していたわけではなかった。そんな彼がフランスの国父と呼ばれるような政治的指導者となったのは、2度国を救ったからである。最初の救済は、第二次世界大戦時に、ドイツと休戦協定を結んだペタンを元首とするヴィシー政権に対するレジスタンス運動の組織と1944年の「解放」によってフランスを戦勝国へと導いたことである。二度目の救済は、アルジェリア戦争[1954-1962]に直面して機能不全に陥った議会主義に基づく第四共和政の政治体制からバトンを引き継ぎ2021/11/16