出版社内容情報
バロネス・オルツィの「隅の老人」、ジャック・フットレルの「思考機械」と並ぶ“シャーロック・ホームズのライバル”「マーチン・ヒューイット」。原書4冊に収録されたシリーズ全25作品を1冊に集成! 本邦初訳作品も多数! 初出誌の挿絵165点を完全収録! 初出誌と単行本の異同もすべて記録!
マーチン・ヒューイットは、ホームズの「ライヴァル」というよりも、ホームズ・シリーズが「最後の事件」をもって「ストランド・マガジン」の連載を終了したあと、その穴を埋めるべく連載が始まったものなので、「シャーロック・ホームズのピンチヒッター」と呼んだほうがいいのかもしれない。挿絵も、ホームズと同じくシドニー・パジェットが担当し、描かれたマーチン・ヒューイットの姿形がホームズの兄マイクロフト・ホームズにそっくりで、しかも氏名の頭文字がどちらも「M・H」だったので、二人は同一人物なのではないかという奇説まで飛び出した。
マーチン・ヒューイット・シリーズは、全四冊の単行本からなっている。
幸い、すべての作品がこれら四冊の単行本に収録されているので、多くが単行本未収録だった「思考機械」とは違って、楽に作品を蒐集することができた。また「隅の老人」のような大幅な書き換えもなく、三つの中では訳出する上で一番苦労が少なかったかもしれない。だが、最初の二冊の収録作には既訳が多くあるものの、あとの二冊はほとんど手つかずで、特に『赤い三角形』は本書がすべて本邦初訳である。(平山雄一「訳者解説」より)
内容説明
バロネス・オルツィの「隅の老人」、ジャック・フットレルの「思考機械」と並ぶ“シャーロック・ホームズのライバル”「マーチン・ヒューイット」。本邦初訳作品も多数!初出誌の挿絵165点を完全収録!初出誌と単行本の異同もすべて記録!原書4冊に収録されたシリーズ全25作品を1冊に集成!詳細な訳者解説付。
著者等紹介
モリスン,アーサー[モリスン,アーサー] [Morrison,Arthur George]
1863年、ロンドンのポプラー生まれの編集者、ジャーナリスト、作家。「新リアリズム」の旗手と目され、ロンドンのスラム街の生活を硬派の筆で記録した作品を評価された。「シャーロック・ホームズ」シリーズが執筆されなかった1894年から1903年のあいだに、「ストランド・マガジン」、「ウィンザー・マガジン」、「ロンドン・マガジン」の各誌に「マーチン・ヒューイット」シリーズを連載。中国や日本の絵画コレクターとしても知られ、コレクションを大英博物館に寄贈した。1945年逝去
平山雄一[ヒラヤマユウイチ]
1963年、東京都生まれ。東京医科歯科大学大学院歯学研究科修了、歯学博士。日本推理作家協会、『新青年』研究会、日本シャーロック・ホームズ・クラブ、ベイカー・ストリート・イレギュラーズ会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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