出版社内容情報
人類の貴重な文化遺産を教会のくびきから解き放ち、徹底して原文の直訳、逐語訳につとめた田川訳新約聖書、ついに刊行!
田川建三[タガワケンゾウ]
翻訳
内容説明
余計な粉飾を排し、教会の壁の外に解き放ち、原文の趣をりのままの姿で伝える、画期的な日本語訳新約聖書!
目次
マルコ福音書
マタイ福音書
ルカ文書
ヨハネ福音書
パウロの書簡
擬似パウロ書簡
公同書簡
ヘブライ人へ
ヨハネの黙示録
ヨハネの黙示録(原著)
著者等紹介
田川建三[タガワケンゾウ]
新約聖書学者。1935年東京にて生(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Koning
30
田川訳新約の本文部分の合本。携帯版と言うことで文庫版。通常版と同じ版下を縮小してコスト削減なので本当に持ち歩こうと言う人以外は大判の方がお勧め。でも実は解説と訳注こそが面白いので分冊版が本当のお勧め。でも本文の訳には黙示録から改竄者の付け足しを抜いた原著版も収録されているのでお勧め。2018/07/29
紫羊
19
毎日少しずつ読み進め、ようやく読了した。新約聖書はいくつか異なる訳で読んだが、これは最高にパンチがあった。訳者がパウロを嫌っている感じがちょっと面白かった。2023/06/29
zeroset
4
直訳こそ分りやすい、護教的な解釈はしない、という田川氏らしい方針の下での日本語訳聖書。福音書などは従来の訳と大きく印象が違わないように感じるが、神学的思想を記したり、生々しい人間関係が垣間見られるような書簡類は、結構異なる読後感がある。白眉は編集者による加筆部位を文章単位で仮定した黙示録だろう。決して読みやすい文章とは言えないし、田川氏の仮説が正しいかどうかも自分には判断できないが…。ともあれ、訳者による『新約聖書概論』の出版が楽しみ。2019/01/03
ナディル
3
「新約聖書と呼ばれてきた書物は、本当はもちろん聖書ではない」冒頭でいきなりそう宣言する筆者には説得力がありある意味清々しさを感じた。直訳、逐語訳とのことですが護教的な意図がない分解釈の自由度が広くて新鮮に読めました。旧約からの引用部は七十人訳からのものであればそう表記してくれているので長年の疑問が晴れました。ヨハネの黙示録に至っては自説に基づいて加筆部を省いた原著と仮定されるものが別にありこれもまた目から鱗だった。注釈のほうも読んでみたくなりました。2025/06/06