内容説明
十七、十八世紀フランスの紳士淑女のあいだで“礼儀正しい”ふるまい方の模範とされた礼儀作法書のベストセラー、初の全訳!1671年から1730年の間に30版以上を重ね、英語、イタリア語、ドイツ語などにも翻訳され、瞬く間に、ヨーロッパ中で話題となった、礼儀作法の指南書。
目次
本書のねらい―礼儀正しさとは何か
礼儀作法の定義と条件、さまざまな種類の礼儀作法
偽りの自信について―礼儀作法の対極にあるもの
敬意について―礼儀正しさの産みの親
しきたりに基づき、礼節にかなうこととそうではないことを見極める
大貴族の家を訪問するとき、門、控えの間などで注意すべき点
会話で注意すべきこと
大貴族の謁見
間接的に礼儀作法に反する発言
よい気質〔ほか〕
著者等紹介
クルタン,アントワーヌ・ド[クルタン,アントワーヌド] [Courtin,Antoine de]
1622‐1685。フランス、オーヴェルニュ地方のリオン生まれ、外交官。スウェーデンで、フランス語書簡担当の秘書官として長く務める
増田都希[マスダトキ]
一橋大学言語社会研究科博士後期課程修了。日本学術振興会特別研究員。専門分野は十八世紀フランス文化史。統治論としての礼儀作法論を研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ヤヨネッタ
1
本当の「紳士・淑女」はもともと礼儀作法を身につけているものだから、まだそうではない当時の「紳士・淑女になりたい人々」に向けて書かれた本です。身分制社会の大変さ、当時の人々が共有する世界観に触れられます。無作法なこととされるのは身分の上下に関わらず他者への配慮を欠いた行動なので、貴族だからといって傲慢が許されるわけでもないようです。身分が上の人と一緒の時の道の歩き方、その理由、馬車などの場での上座下座など面白い豆知識がいっぱいでした。2019/08/08
貴船綏子
1
歴史資料としてはおもしろいものなんだけど、言わないでもわかるよね?的な情報を共有していない現代人読者なので、なんか大雑把だなあという印象でした。著者の専門分野らしい文章に関する作法についての部分が大きい。舞踏会参加のマナーの詳細なんかがあると良かったんだけど。。。。2018/04/11
鏡裕之
0
18世紀の書籍。フランスのクルタンという人物が記した、礼儀作法の書。身分の高い貴族に対してはどんな物言いをすればいいのか、お屋敷に来たらどんなことしてはいけないのかが記されている。上流階級の資料として一級品だと思う。2018/01/03
zikisuzuki
0
十八世紀のフランス上流階級の礼儀作法の指南書なのだが、そのベースになっているのが謙虚さであるとしつこいくらいに念を押し説かれている。特に女性に対しての謙虚さ、上位の貴族に対する尊敬、ふるまいかたなど今のフランスにも生き続けているのではないか。それが世界一の文化と思想のベースになっていると思える。なにかと武士道を日本の精神の礎と位置付けたい我が国に一番足りないのは謙虚さなのかもしれないと読んでいて思わされた。2018/02/12
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