内容説明
二人の巨人の著作を丁寧に熟読し、戦後思想がこだわった市民社会、国家、「日本的主体」について考える。戦後思想を知らない世代のための(知ってる人にとっては“再”)入門講義。
目次
“講義”第1回 丸山眞男「忠誠と反逆」を読む1
“講義”第2回 丸山眞男「忠誠と反逆」を読む2
“講義”第3回 丸山眞男「忠誠と反逆」を読む3
“講義”第4回 吉本隆明『共同幻想論』を読む1
“講義”第5回 吉本隆明『共同幻想論』を読む2
“講義”第6回 吉本隆明『共同幻想論』を読む3
著者等紹介
仲正昌樹[ナカマサマサキ]
1963年広島生まれ。東京大学総合文化研究科地域文化研究専攻博士課程修了(学術博士)。現在、金沢大学法学類教授。専門は、法哲学、政治思想史、ドイツ文学。古典を最も分かりやすく読み解くことで定評がある。また、近年は、『Pure Nation』(あごうさとし構成・演出)でドラマトゥルクを担当するなど、現代思想の芸術への応用の試みにも関わっている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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さえきかずひこ
13
戦後の左派知識人としてあまりにも有名な丸山眞男の『忠誠と反逆』、また新左翼の運動に影響を与えた吉本隆明の『共同幻想論』を読み解いていく一冊。本文は全360ページほどあり、丸山分のほうが、吉本のそれよりも20ページくらい少ない。丸山の論旨は、江戸末期から明治にかけての"忠誠""反逆"概念の移り変わりを資料をもとに考察し、それらがわが国では次第におとろえ、やがて問題にされなくなっていく点を指摘している。丸山の文は硬いが意外と読める。それに比べて吉本の文は風変わりでまことに読みにくいので著者の解説はありがたい。2019/01/09
Go Extreme
1
丸山眞男・忠誠と反逆:時代背景・問題意識・緊張と葛藤・抵抗あるいは反逆の発想・神か天皇か・中央集権と忠誠 吉本隆明・共同幻想論:タブー・なぜ人は憑かれるのか・ドッペルゲンガーといづな使い・幻想とは・あの世と死とは・祭りはなぜあるのか・マルクス主義批判・構造・罪の起源・法の起源・日本国家の起源2020/11/02
西寺
1
「政府の側はこうした中間層が家族的国家観の伝道師になってくれることを期待したわけですが、雪嶺は「自主と独立と抵抗の精神」の担い手になることを期待したわけです。ただ丸山はこうした雪嶺の期待に現実味があったと見ていたわけではなく、これに続く箇所で、中間層は既に官僚体制に吸収されてしまったのではないか、と示唆しています」2018/12/08
代理
0
対幻想がよくわからなかった。丸山のほうが取っ付きやすそう。吉本隆明は本当に何言ってるのかわからなかった。2017/11/12