出版社内容情報
井出啓二[イデケイジ]
内容説明
2004年、中国とロシアは国境問題を最終決着させ、国境河川の中州である黒瞎子島/大ウスリー島・タラバロフ島の半分などが中国に引き渡された。これは、中国が「係争地域」として長年圧力を加え続け、プーチンが最終的に譲歩を決断したものだった。中露の国境紛争は、さかのぼれば17世紀から存在し、たび重なる武力衝突をも引き起こしてきた。にもかかわらず、最後は“交渉”によって決着するという、きわめて珍しいケースとなった。その歴史的経験から、私たちはロシアと中国を相手にするうえで何を学べるか?ロシア・中国の日本大使館で公使を務めた現役外交官が、両国の重要文献、交渉者の証言、最新の学術研究、現地調査をもとに、交渉を再構成し、両国の歴代指導者と交渉者たちの戦略・戦術を鋭く分析。北方領土と尖閣諸島を考えるための最重要資料となるものである。
目次
第1部 中露国境紛争と交渉の歴史(中露の接触開始から革命まで―ロシアの拡張と「不平等条約」;革命後の両国関係―辛亥革命(一九一一年)とロシア革命(一七年)
中華人民共和国とソ連の蜜月と対立
中ソ国境紛争と交渉
ソ連邦崩壊後の中露交渉)
第2部 分析と評価(ソ連・ロシアの基本的立場、戦略、戦術;中国の基本的立場、戦略、戦術;中ソ・露国境交渉とはいったい何だったのか)
著者等紹介
井出敬二[イデケイジ]
外交官。ロシア、中国の日本大使館などで公使を歴任し、現在、外務省国際貿易・経済担当大使。1957年生まれ。1980年に外務省入省。米国防省語学学校、ハーバード大学ロシア研究センター、モスクワ大学文学部で、ロシア語とロシア政治を学ぶ。ロシア外務省付属外交アカデミーで、国際関係論修士号取得。外務省情報調査局分析課課長補佐、欧亜局ソ連課課長補佐、アジア大洋州局地域政策課長、経済局開発途上地域課長、大臣官房審議官(国会担当、国際情報統轄官組織担当)、OECD(経済協力開発機構)日本政府代表部一等書記官、在中国大使館公使、在ロシア大使館公使、駐クロアチア大使、国際テロ協力・組織犯罪協力担当大使などを歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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さりー