内容説明
隠された幕末維新の真実。坂本龍馬より時代に先駆け、維新直前に暗殺された、大政奉還の隠れた立役者の実像!赤松が生きていれば、日本はまったく異なる近代史を歩んでいた…
目次
第1章 赤松小三郎の生涯と議会政治の夢(いまだ解明されていないその生涯;数学を基礎に、蘭学・兵学を学ぶ ほか)
第2章 赤松小三郎の憲法構想(立憲主義の源流;天幕御合体諸藩一和 ほか)
第3章 明治維新神話とプロクルステスの寝台(左右共通の物語;吉田松陰はなぜ記憶されねばならないのか? ほか)
第4章 そして圧政に至った(近代官僚専制システムの歴史的起源;自由な空気が後退して圧政に至った ほか)
第5章 長州レジームから日本を取り戻す(戦後レジーム・永続敗戦レジーム・長州レジーム;長州レジームの特質 ほか)
付録 巻末資料
著者等紹介
関良基[セキヨシキ]
1969年、信州上田生まれ。京都大学農学部林学科卒業。アテネオ・デ・マニラ大学フィリピン文化研究所客員研究員を経て、京都大学大学院農学研究科博士課程修了。博士(農学)。早稲田大学アジア太平洋研究センター助手、(財)地球環境戦略研究機関客員研究員などを経て、拓殖大学准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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とし
85
赤松小三郎ともう一つの明治維新。まだまだ脚光を浴びることのない人物が居るのですね。2019/01/24
古谷任三郎
4
幕末、現行憲法につながる憲法構想を薩摩藩などに提案し、幕府と薩摩の武力衝突を回避しようと奔走するも薩摩の中村半次郎に暗殺された上田藩士・赤松小三郎の評伝。あの佐久間象山を生んだ信州の地にもう1人偉大な志士がいたのかと驚かされた。読み物としては面白いが、著者の信州に対する思い入れの深さ(上田出身)と反安倍(発刊当時の政権)からなる反長州ぶりには思わず引いてしまう。靖国神社のことを長州神社と揶揄したり、長州の内部紛争をかの連合赤軍に例えたりなど、歴史を取り扱う者としてはあるまじき行為と言える。2024/11/28
Ryoichi Ito
3
赤松小三郎は幕末の上田藩士,兵学者。1867年5月に新しい国家体制に関する建白書を松平春嶽に提出。同年9月に薩摩藩士に殺された。赤松の建白書は坂本龍馬の所謂「船中八策」,「新政府綱領八策」より早く,松平春嶽,横井小楠,由利公正らを通じて明治新政府の国家体制の原点になった可能性が大。しかし,暗殺が薩摩藩によって行われたことからか,従来の歴史から完全に抹殺されている。日本の近代史は見直すべきだ。2017/04/25
鯉二郎
2
歴史の教科書で習った明治維新の物語には赤松小三郎という人物は出ていなかった。自分の不勉強でこの本を読むまで赤松小三郎を知らなかった。長州と薩摩を中心とした明治維新には美談や誇張が多いのではないかと思うこともあったが、これを読んで疑問が解けた。2017/08/05
かずさん
1
今まで自分が知っていた幕末と違って、いろいろ考えさせられた。長洲レジームという言葉がとても印象に残った。2021/05/02