内容説明
田舎町で撮影された映画の舞台を訪ね歩き、作品を紹介しながら、長閑やかな村の風景、人々との交流、そして胸に浮かぶ貧しくも心豊かな戦中/戦後の日本の姿をあたたかい筆致で綴る、詩情に富んだフランス紀行。各地へのアクセスガイド付。
目次
序章 はじめての映画
第1章 草深いアンブリクールの里『田舎司祭の日記』
第2章 デュランス川・ヴェルドン川『禁じられた遊び』
第3章 ヴァンセンヌの森『幸福』
第4章 ピレネーの民宿にて『バルタザールどこへ行く』
第5章 アルマニャックのワイン『五月のミル』
第6章 プロヴァンスの山里『プロヴァンス物語/マルセルの夏』
第7章 ランボーが帰っていく村『太陽と月に背いて』
第8章 フラヴィニー村の母と娘『ショコラ』
第9章 ミディ運河のふたり『家なき子』
第10章 はるかなル・ピュイの道『サン・ジャックへの道』
著者等紹介
西出真一郎[ニシデシンイチロウ]
1935年、三重県生まれ。58年、三重大学教育学部卒業。以後三重県内の高等学校の国語科教諭をつとめ、96年定年退職。詩誌「石の詩」(渡辺正也主宰)同人。『家族の風景』により第5回現代ポイエーシス賞。2006年。『少年たちの四季』(30句)により第9回俳句朝日賞。2007年(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ワッピー
16
今回のフランスの旅は映画がテーマ。「田舎司祭の日記」「禁じられた遊び」「幸福」「バルタザールどこへ行く」「五月のミル」「プロヴァンス物語/マルセルの夏」「太陽と月に背いて」「ショコラ」「家なき子」「サン・ジャックへの道」の映画にちなむ村を回る旅に、いつも変わらぬ西出氏の静謐な文章。人との見事な距離感、己を誇らず人を貶めない美学、非常にバランスのとれた描写、ぶれることのない芯の通った文章そのものが好きです。「星明りの村」(ロマネスク聖堂)、「木苺の村」(仏文学)、「ろばのいる村」(農村)もおススメです。2019/04/07