内容説明
1963年、人形アニメーションの技術を極めようと単身チェコスロバキアへ旅立った川本喜八郎。2年間に及ぶ修業の模様を生き生きと描いた、巨匠の原点!
目次
チェコ手紙&チェコ日記(茫々四十年;1963年;1964年)
著者等紹介
川本喜八郎[カワモトキハチロウ]
1925~2010。アニメーション作家、人形美術家。紫綬褒章、勲四等旭日小綬章、パリ市大勲章(銀賞)等受章。日本アニメーション協会会長、日本人形玩具学会代表委員等を歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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qoop
4
1963年、人形アニメ作家として一念発起した著者がチェコスロバキアの巨匠トルンカのもとを訪ね、技術を学び刺激を受け、感じた希望、自負、焦燥を赤裸々に綴った本書。まさしく国際人と云うべきタフさとセンス、伝統を受け継ごうとする意志(背中に昇り龍と降り龍の彫り物を施し「自分に日本の伝統を少しでも持っていたいと思って」と嘯くエキセントリックさ!)… 読みながら、しばしばその強さに圧倒された。また、当時の国内外の世相を知る上でも面白い記述多々。2015/02/10
£‥±±
3
海外渡航自由化前に社会主義圏のチェコへ人形映画修行へと単身飛び込んだ、まだ監督作の無い時期の後の大人形師にしてアニメーション監督の川本喜八郎氏のチェコ日記。 自身の人形造型とアニメーション技術には実は絶大な自信が有り、チェコや途中寄ったポーランドの人形アニメーションには殆ど技術的には得る物が無いと断言する等、若さ、熱さを感じさせる。 一方、世界的なチェコ一の人形アニメーターであるトルンカ氏への高い評価、共感は文章がその部分だけ熱い。 60年代共産圏のレポートとしても貴重。2022/04/14
garyou
1
携帯電話も電子メールもなく、自由に海外に出られなかつた時代ゆゑの濃さかと思ふ。いまだつたらスマートフォンで写真を撮つて終りになりさう。日本にゐる仲間をほんとに「仲間」と思つてゐたんだらうな、とも思ふ。人なつこい人だつたんだらうな、とも。2015/04/21
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