資本主義の革命家 ケインズ

バックハウス，ロジャー・Ｅ．〈Ｂａｃｋｈｏｕｓｅ，Ｒｏｇｅｒ Ｅ．〉/ベイトマン，ブラッドリー・Ｗ．【著】〈Ｂａｔｅｍａｎ，Ｂｒａｄｌｅｙ Ｗ．〉/西沢 保【監訳】/栗林 寛幸【訳】

作品社（2014/08発売）

• サイズ B6判／ページ数 251p／高さ 20cm
• 商品コード 9784861824937
• NDC分類 331.74
• Cコード C0033

内容説明

なぜケインズは資本主義を救い、世界経済に革新をもたらしたのか？本書は世界的に著名な経済学史家とケインズ研究者が、経済のみならず哲学や芸術といった多方面から彼のビジョンをとらえ直し、混迷の続く現代において「ケインズ経済学」はいかに有効なのかを分かりやすく明らかにする。今、再び注目を浴びるケインズとその経済学を知るための格好の書。

目次

第１章　ケインズの復帰、ただしどのケインズか？
第２章　ケインズ経済学の盛衰
第３章　道徳哲学者ケインズ―資本主義に対する挑戦に直面する
第４章　医師ケインズ―資本主義経済の理論を開発する
第５章　ケインズ革命の多様性
第６章　永続する革命

著者等紹介

バックハウス，ロジャー・Ｅ．［バックハウス，ロジャーＥ．］ ［Ｂａｃｋｈｏｕｓｅ，Ｒｏｇｅｒ　Ｅ．］
イギリスのバーミンガム大学教授（経済学史および哲学史）。バーミンガム大学の他、ポルトガルのポルト大学、オランダのエラスムス大学などでも経済学史を教えている学会の第一人者。数多くの著書があるが、近年は、２０世紀を中心にした現代経済学史の著作が多い

ベイトマン，ブラッドリー・Ｗ．［ベイトマン，ブラッドリーＷ．］ ［Ｂａｔｅｍａｎ，Ｂｒａｄｌｅｙ　Ｗ．］
アメリカのデニスン大学の経済学教授および副学長を経て、２０１３年７月からランドルフ・カレッジ学長。著名なケインズ研究者

西沢保［ニシザワタモツ］
帝京大学経済学部教授（一橋大学名誉教授）。専攻は経済思想史

栗林寛幸［クリバヤシヒロユキ］
東京大学教養学部教養学科（国際関係論）卒業。一橋大学大学院経済学研究科修士課程修了。英国ケンブリッジ大学大学院修士課程（Ｍ．Ｐｈｉｌ経済学）修了、博士課程中退（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[壱萬参仟縁]

11年初出。新しい経済学：’40年代にケインズ流の考え方を表現するために使われた（016頁）。彼の社会問題の原因は、異集団に属する人の予想と行動の不一致にあった（027頁）。ケインズはモリスの壁紙で飾られた家で勉学に秀でるように育てられた（071頁）。金儲けが自己目的化すると、芸術同様貴重な価値を貶めることになる（092頁）。インフレの不公正さ：貸し手から借り手へ富を再配分することにより、借金の価値を引き下げる点 （106頁）。

2015/05/13

[手押し戦車]

投資は投資家の独自の洞察力と心理で決まるので、それが完全雇用を実現する事はない。景気は利子率の上昇ではなく予想収益率の急激な下降が予想された時に不況になる。資産家と投資家の心理、実質貨幣ではなく貨幣賃金によって労働を決めている労働心理を見抜き、失業者対策では政府が主導して需要を引っ張り完全雇用の政策のあり方と資本主義のエンジンはリスクをとって利潤を追求する企業家精神が財政出動による景気を下支え出来る原動力になる。完全雇用を実現させる政策をそれぞれの人の立場から考える思想は凄い。

2014/11/28

[内山 雄一]

私には、難しい本でした。

2016/11/12