内容説明
斜陽の帝国=東大再生は可能か?!近代日本の「国家貴族」養成所=東京大学は受験生のあこがれの的。だが、その国際的評価は低い。時の政府の「御用学者」を務め、原子力発電推進の中心的機構にして、異論を排除してきたこの大学に未来はあるのか。独立行政法人化以降、劣化の加速する東大内部の惨状を自身の処分事件と絡めて摘出する警醒と鼓舞のための書き下ろし。
目次
第1章 東日本大震災後の“国難”状況の中、衰退の局面を迎えている日本の高等教育(新自由主義体制下でどのような姿勢で学問論に挑むのか?;東京大学教師歴三十年)
第2章 「国家貴族」養成所としての東京大学―世界の大学の中の東大とその国策的在り方(ブルデュー教育社会学と「国家貴族」;日本の学問のネオリベラル・アーツへの改変 ほか)
第3章 国立大学教員処分頻発とその実態(法人化後の大学で頻繁に起こるハラスメント処分;始まりの構図―二〇〇三年夏休み直前 ほか)
第4章 原子力技術の国策的担い手としての東京大学(レッドパージは死せず;科学技術と現代政治 ほか)
第5章 未来の日本の高等学問のために(「大局の明」探究に資する学問の原点への回帰を!;高等教育現場のモラル的再生を! ほか)
著者等紹介
佐々木力[ササキチカラ]
1947年、宮城県生まれ。東北大学理学部数学科卒。同大学院で数学を専修したあと、プリンストン大学大学院でトーマス・S・クーンらに科学史・科学哲学を学び、Ph.D.(歴史学)。1980年から東大教養学部講師、助教授を経て、1991年から2010年まで教授。定年退職後、2012年から北京の中国科学院大学人文学院教授。東アジアを代表する科学史家・科学哲学者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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_udoppi_
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