内容説明
戒厳令下の台湾で、1971年、「釣魚台(尖閣諸島)運動」が勃発した。1968年世代が、「釣魚台は我々のものだ!」をスローガンに立ち上がったのだ。すぐにその動きは、大学闘争に発展し、さらに台湾民主化運動へとつながっていった。本書は、その最前線で活動し、現在は作家として活躍している著者が、これまで語られることがなかった、最も政治的・思想的な激動の時代を初めて描き、台湾・大陸中国で大ベストセラーとなったものである。本書を読まずして、東アジアの戦後史、そして“尖閣諸島”問題は語れない。
目次
前夜
1968―南一中と建中の出会い
不穏な空気―最後の大学論壇
キャンパスの冬開け―保衛釣魚台運動
烽火の不如帰城―台大民主抗争
もう一つの活路―左翼の思想資源
この土地この民―左翼のもう一つの闘いの場
身近の出来事―民族主義論戦の始まり
黒い潮流の噴出―歴史の伏線とその奇妙さ
嵐の到来―国家機構が動いた日
周辺部の闘争―女性主義の誕生の声
エピローグ
著者等紹介
鄭鴻生[ジュンホンシュン]
1951年、台湾・台南生まれ。1969年、台南一中(高等学校)を卒業後、台湾大学に入学。台湾大学において「保衛釣魚台」運動、キャンパス民主闘争、民族主義論戦を経験する。1972年、台湾大学哲学系を卒業。その年の10月から兵役生活に入るが、兵役先として、政治犯を収容していた緑島にも赴任。兵役を終え、米国でコンピュータ関連の学科に進学し、その後コンピュータ関係の会社に勤めるが、1988年に帰台。帰台後にも一時期、コンピュータの技師として働いていたが、1996年、夫婦でオーストラリアのシドニーで1年間を過ごす
丸川哲史[マルカワテツシ]
1963年、和歌山市生まれ。一橋大学大学院言語社会研究科単位取得退学。学術博士。現在、明治大学政治経済学部/教養デザイン研究科教授。専攻:台湾文学/東アジア文化論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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