内容説明
突如画廊に現われた幼馴染、空想の犬を飼う女、雪深い村の無口な少女、湖畔に建つ謎めいた別荘、ある図書館員とふたりの老女、我が子より猫を溺愛する女、かつて妻を描いていた画家、絵画教室の不穏な男―。万華鏡のごとく綾なす、ファンタジックでミステリアスな世界。短篇とショートショートで織りなす、玉手箱のような作品集。
著者等紹介
岡野薫子[オカノカオルコ]
1929年東京都生まれ。東京農業教育専門学校附設女子部卒業。科学雑誌の編集や教材スライドの企画制作、科学映画のシナリオライターなどを経て、60年ごろから児童文学の創作活動に入る。64年『銀色ラッコのなみだ』(実業之日本社)で作家デビュー。サンケイ児童出版文化賞、NHK児童文学奨励賞などを受賞。翌年『ヤマネコのきょうだい』(同)で野間児童文芸推奨作品賞、71年『岡野薫子動物小説傑作選』(全5巻、実業之日本社)、78年『ミドリがひろったふしぎなかさ』(童心社)で講談社出版文化賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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らむり
31
短編集。岡野薫子さんは絵が好きなのか。ほとんどのお話に絵画が出てくるし、本の装画とか挿絵もご自身作だし。40代男性が、70代老女に恋?するお話が良かった。2013/07/05
鳩羽
4
児童文学で有名な著者の、子ども向け大人向け入り混じったショートショートと短編を一冊にまとめたもの。確かに、子ども向けだなとか、大人向けだなと思うような作品もあるけれど、ショートショートなどは、大人が解釈する結末と子どもが見る物語が違うだけなのだなという気もする。絵や画家が出てくる話が多く、報われなかったり、がっかりしたり、という感情が厚ぼったい絵に収められたかのような、すっきりしない読後感だった。2013/08/08
野のこ
3
初めての作家さん。シュールな表紙に惹かれて借りました。短編集とショートショート。ミステリアスでファンタジーでふわっとした物語は好き嫌い分かれそうですが、私はたまに読みたくなるジャンルです。特に「龍宮」と表題の「都会の蜃気楼」が好みでした。2016/04/02
gatta blu
3
淡々としていながら、映像が思い浮かぶ文章。帯にある通り「ファンタジックでミステリアスな世界」観がある短編とショートショートの作品集。いくつかの作品はあまりに幻想的で私の理解が及ばずの作品もあったが、意外にも読後感はそれほど嫌いではない。ちなみに、やられた!というと大げさかもしれないが、ほほう、そうきたか!と思わされたのは『画家とモデル』だった。本当に不思議な世界だった。2014/08/08
ハルト
1
読了:○2013/09/06