「借金人間」製造工場―“負債”の政治経済学

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  • サイズ B6判/ページ数 232p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784861823909
  • NDC分類 338
  • Cコード C0033

出版社内容情報

“負債”が世界を支配している! 私たちは、借金しているのではない。金融資本主義によって、借金させられているのだ! 欧州で話題のベストセラー!


現在、国家の“負債”も、個人の“借金”も、世界的に急増しつづけており、国家財政にとっても、私たちの人生にとっても、最大の脅威となっている。では、なぜ“負債/借金”は、それほどまでに増大しつづけるのか? 本書は、今ヨーロッパで注目される社会学者・哲学者が、経済学から、ニーチェ、ドゥルーズ/ガタリ、フーコーの哲学までも駆使しながら、“借金/負債”とは何かを、古代ギリシャから現代までの歴史をさかのぼり考察し、現在では、グローバル資本主義による個人・社会への支配装置として機能していることを明らかにした、欧州で話題のベストセラーである。

内容説明

私たちは、借金しているのではない。金融資本主義によって、借金させられているのだ。なぜ私たちは、ローンのために働くのか?なぜ国家は、債務のために緊縮財政に追い込まれるのか?それは、金融資本主義とは、“負債”によって、私たちを奴隷化し、支配するシステムだからである。

目次

第1章 社会的基盤としての「負債」(「負債」による支配;なぜ「金融」ではなく「負債」を焦点化するのか?;新自由主義の戦略的核心としての「負債」;いかに“借金人間”は製造されるのか?)
第2章 「債権者/債務者」とは何か?―「負債」による主観的主体化(「返済の義務」という道徳は、いかに成立したか?―ニーチェ『道徳の系譜学』;「信用」とは何か?―マルクスの二つの「信用」論;「信頼」と「信用」―未来創造の原動力となる「信頼」/無力化させる「信用」;“負債”の歴史的展開)
第3章 新自由主義の戦略的核心としての「負債」(新自由主義の誕生―すべての人を資本家に、経営者に、そして「借金人間」に;「負債」による権力システムの再構成―主権権力・規律的権力・生政治的権力;いかに新自由主義は「債務危機」を乗り越えようとしているか?;“負債”は社会をどのように変えたか?;「反生産」「反民主主義」を超えるために)

著者等紹介

ラッツァラート,マウリツィオ[ラッツァラート,マウリツィオ][Lazzarato,Maurizio]
1955年、イタリア生まれ。社会学者、哲学者。現在は、パリで、非物質的労働、労働者の分裂、社会運動などについての研究を行ないながら、非常勤芸能従事者(アンテルミッタン)や不安定生活者(プレカリアート)などの活動にも積極的に参加している

杉村昌昭[スギムラマサアキ]
1945年、静岡県生まれ。龍谷大学名誉教授。フランス文学・思想専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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jack

7
負債による恐喝と収奪。新自由主義者の典型的な犯行態様であるが、この蛮行は、資本主義のアポトーシスでもある。これを発症した資本主義は、金融資本での完治は不可能で、産業資本家の「戦争」という、劇薬のみにて延命が可能となる。市井の人々は、欲望に邁進する資本家の試験台で、只、流され、収奪されていく。 ☆5.02019/05/04

パラ野

6
イタリアから見た経済かと思ったら、フランスで働く哲学者が、ニーチェを援用してホモ・エコノミクスとホモ・デビドルについて論じるという内容でした。3.11後についても、数行触れられている。ニーチェの「道徳の系譜」を経済と組み合わせて読解するのがメインです。あと、「アンチ・オイディプス」いっぱい出てきた。ギリシャに関する労働時間のデータは正しいです。迫られた改革の内容とか。第4次支援の内容まであったら良かったのに。英語圏の報道を翻訳しただけの日本語メディアと、ギリシャ語メディアの報道内容が違うので、大変だよね。2014/08/16

壱萬弐仟縁

5
認知資本主義。この概念は初めて知った。負債経済学は、富の本質とは主観=主体的なものである、という古典的政治経済学の発見を強化する(069ページ)。個人的な主観的主体性の生産である。その意味は、ヤン・ムーリエ=ブータンが、非物質的労働が価値増殖で戦略的比重を占めるもの。資本主義とは、搾取と支配の要請によって自らを創り、自ら変容させ、組織化する(138ページ)。新自由主義が負債人間という失業者や非正規雇用者、格差社会をつくり出し、これを変える気はさらさらない。人の上に立つ人間が、社会のを考えない利己主義者。2012/09/06

pyonko

4
借金をするということは自分の未来を売るということ。信用とはいったい何なのだろうか。2015/09/03

       \サッカリ~ン/

2
フーコー、マルクス等の引用を元にして、債権/債務者の関係を軸に新自由主義直近40年について語られる。この手の本でよく槍玉に挙げられる金融資本は、著者はあくまで資本の一形態にすぎないとしており、「全ては『負債』に関連する」という主張が本書の特徴である。『負債経済』と銘打ったシステムの全容を丁寧に解き明かしており、問題定義で終わらず解決の糸口を提供している点まで含め、社会情勢を考えるうえで非常に参考となる。TVで繰り返された「ギリシャ人の国民性云々」という主張は果たして何者の利益を保証した発言か……。2013/03/24

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