内容説明
社会的性格・動機・音色・楽劇など10の視点から多角的に考察。いかがわしさと崇高さを併せ持つ天才の全貌を明らかにする。附:「ヴァーグナーのアクチュアリティ」・作品概要・詳細解説。
目次
1 社会的性格
2 身振り
3 動機
4 響き
5 音色
6 ファンタスマゴリー
7 楽劇
8 神話
9 神と乞食
10 キマイラ
著者等紹介
高橋順一[タカハシジュンイチ]
1950年、宮城県生まれ。埼玉大学大学院文科学研究科修了。現在、早稲田大学教育学部(教育・総合科学学術院)教授。専攻はドイツ・ヨーロッパ思想史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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どら猫さとっち
4
ワーグナー(ヴァーグナー)の楽劇の世界を、いろんな角度から論じた、ワグネリアンの必読書。自分はそれほどワグネリアンではないが、ワーグナーの音楽に魅了され、ますます気になり出したころに、書籍を読むようになった。ワーグナーの音楽世界は、これほど深くて面白いのか。そして生涯と音楽世界が織りなすドラマ。ワーグナーは想像する以上に、広大なロマンに満ちている。2020/02/13
メルセ・ひすい
1
15ー154 愛と死と陶酔の形而上学。社会的性格・動機・音色・楽劇など、10の視点から多角的に考察。いかがわしさと崇高さを併せ持つ天才の全貌を明らかにする。「ヴァーグナーのアクチュアリティ」・作品概要などを付す。★クナウル社ポケット版への序言 Ⅰ.社会的性格 Ⅱ.身振り Ⅲ.動機 Ⅳ.響き Ⅴ.音色 Ⅵ.ファンタスマゴリー Ⅶ.楽劇 Ⅷ.神話 Ⅸ.神と乞食 Ⅹ.キマイラ …付録 ヴァグナーのアクチュアリティ 解説にかえて ★仮象と仮象を内破するもの アドルノのヴァーグナー認識について 高橋順一 作品概要2012/04/30
Erina Oka
0
装丁が綺麗。ジャケ買いに近かったけど内容もとても良かったです。2013/12/11
またの名
0
アドルノ晦渋すぎて死にたくなる・・・けど無理やり読み通した。対象を褒めているのか貶しているのか判断しかねる例の複雑な文体のために、核となる主張を要約するのはほぼ不可能。でも、陶酔の魔力に耽るワーグナーの欺瞞に満ちた市民社会・商品経済的な反動的要素がそれ自身のうちに救済の要素を持ちうる希望に賭ける、という論旨のライトモチーフは随所に感じられる。そういうアドルノの論の進め方は好き。ベンヤミンなんかには出来ないだろうなあ。しかし訳者解説がなければそれを把握するまでにも至らなかったかもしれない。2012/12/24