内容説明
哲学・思想、政治学、経済学、社会学、法学の基礎からサンデル『白熱教室』などの最新の動向まで、「正義」、「公共性」、「熟議」、「経済成長」他、よく使われる用語の誤用や基礎的なレベルでの陥り易い勘違い、思い込みを指摘し、これから勉強をする/し直す、のに最適な書。
目次
第1講 哲学・思想―「哲学」と「思想」の境界!?(『白熱教室』で、哲学・思想する;発言する勇気 ほか)
第2講 政治学・政治思想―「政治」はどこにあるのか?(「自由主義」と「民主主義」;「話し合い」という問題 ほか)
第3講 経済学・経済思想―「正義」を担保するための議論(「経済学」って何をやるの?;『もしドラ』は経済学? ほか)
第4講 社会学・社会理論―「社会」を設計する!?(社会学説小史;日本の社会学 ほか)
第5講 法学・法哲学―大学と「法学」という特殊な空間(裁判員裁判;法学のイメージ ほか)
著者等紹介
仲正昌樹[ナカマサマサキ]
1963年広島生まれ。東京大学総合文化研究科地域文化研究専攻博士課程修了(学術博士)。現在、金沢大学法学類教授。著作・共著・翻訳は60冊以上にも及ぶ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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harass
71
5つの文系学問の概説を講義し学生からの質問にも答える。各分野の大まかな歴史のほか新自由主義・ネオコン、サンデル、リベラル、もしドラ、超訳ニーチェなど、実に多数。自分では法学法哲学は初めて知るところばかりで驚く。やや癖のある著者で突き放した視点があり、俗流の似非学問に冷水をぶっかけ続ける。永遠の問題である理論と実践についてなども。著者自身の他の本でもよく出てくるが、ブロガーなどで自称学者モドキが論争を仕掛けてくることに辟易していているのがよく分かる。返却期限が来てざっと読んでしまったがで購入することにする。2018/01/21
Koning
28
人文系って(ryというアレを改めて再認識してしまうか、あるいはやっぱり予算のかけ方を間違ってる目先の何かに囚われちゃった政治が悪いと思ってしまったり、こいつはサヨクだーと言ってみたり全部間違いというかお前上っ面で適当に撫でてるだけだろ?というツッコミと愚痴がある意味楽しいというか(え。ベストセラー系の何かってやっぱりアレだよね(笑)。というのを再認識できたからオッケー桶川ですた
白義
15
意地悪オールラウンダー仲正先生による、超ひねくれ人文科学入門。ただし、表現がシニカルなだけで中身と趣旨はは極めて真っ当、情報量がぎっしり詰まった、コストパフォーマンスの高い本だ。哲学から法学まで、各学問の身も蓋もない現実から最先端の議論(の裏側)、人気学者たちやネット論客への釘刺しまで、この分量でやってのけるのは驚異的。文理問わず学生から、一般的な批評、思想好きまで広く必読。よくわからないままサンデルすげーとか学者なんてとか言ってる人への、クールな鉄槌だ2012/02/04
ichiro-k
13
ナンダカンダと言っても、著者は宮台や東と同じカテゴリーに感じる。2013/06/01
popcorn
6
これだけ多くの学問を横断的に説明できるとは、筆者の教養の高さを感じます(筆者は大学教授なので、そのことから考えるとこれくらいの教養は当然なのかもしれませんが)。筆者のような学際的な取り組みが皆できれば良いとは思いますが、いかんせん一つの学問分野すら大多数の人(もちろん私も含まれます)には難しいのが現状です。しかし、そうは言っても少しづつでも教養を深めようという努力は必要ですね。道程はかなりありますが頑張るしかありません。この本の記述と同レベルの説明ができるようになれば教養として及第点のような気がします。2013/11/17