内容説明
ベティ・ブープを生み、ポパイ、スーパーマンをアニメーションにした男。ディズニーに比肩する天才アニメーターの栄光と挫折の生涯を、その息子である名映画監督が温かく描き出す。アニメーションファン必読。
目次
少年時代
漫画家デビュー
映画の世界へ―ロトスコープの発明
ココとの共演―『インク壷から』
バウンシング・ボールとご一緒に
マンハッタンでの出会い
フライシャー・スタジオ開設
ベティ・ブープ登場
ポパイとベティをめぐって
川の見える部屋
父“パップス”と私
母・エシーのこと
カラーへの挑戦
労働組合騒動
ニューヨーク脱出
新天地マイアミ
ガリヴァー&スーパーマン
兄弟の断絶
不意打ち
追い討ち
救いの手
私とディズニー、そして父
反撃
裁判の日々
インクウェル再び
破産
失意の晩年
ベティ・ブープの復活と父の最期
著者等紹介
フライシャー,リチャード[フライシャー,リチャード][Fleischer,Richard]
1916‐2006。映画監督。マックス・フライシャーの長男としてニューヨークに生まれる。ブラウン大学、イェール大学大学院卒業。42年にRKO入社。47年『死の設計(Design for Death)』でアカデミー賞最優秀ドキュメンタリー賞受賞。54年にはウォルト・ディズニーに招聘されて『海底二万哩(マイル)』を監督
田栗美奈子[タグリミナコ]
翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
サイバーパンツ
7
ベティやポパイを生み出し、技術的にも様々な発明をしたアメリカ・アニメーションの大家の一人であるマックス・フライシャーの生涯を息子が語った本。不遇の歴史であるパラマウント社との権利を巡る戦いについても詳しく知ることができる。身内なので、かなり個人的な思い出も書いてあるし、熱が入り過ぎている面もあるが、そのおかげで文章に躍動感があり、小説を読む感覚で楽しめた。2018/10/05
印度 洋一郎
3
戦前、勃興したアメリカのアニメーションのパイオニアの一人マックス・フライシャーの生涯を、息子の映画監督リチャード・フライシャーが語った伝記。ニューヨークの下町に育ったユダヤ系移民のフライシャーは、新聞漫画家から新興メディアの映画界に飛び込み、実写の動きをトレースするロトスコープという技術と、ニューヨークっ子らしい洒脱な作風で頭角を現していく。「インク壷から」「ベティ・ブープ」「スーパーマン」「バッタ君町へ行く」等今でもアニメ史に残る名作を数多く生み出しながらも、スタジオの経営に失敗し晩年は不遇だった。2017/08/13
Kazuhiro Sorimachi
1
ベティやポパイのアニメで知られるアニメ制作者マックス・フライシャーの生涯を息子のリチャードが回顧した家族ヒストリー。第2次大戦前の短編アニメ全盛期にディズニーのライバルだった大アニメスタジオはパラマウントの資金を当てにしていたばかりにのっとられマックスは追い出されてしまう。その後の法廷闘争がさらに悲劇でついに破産に至ってしまう…正直ここまで後半生が悲惨な人とは思わなかった。しかし著作権は手放しても著作人格権は残り、一回はフィルムから抹殺されたマックスの名前が今は見ることができるのは幸いなことかもしれない…2016/08/22
富士さん
0
たいして期待していなかったんですが、かなりおもしろかった。特に興味深いのは、M.フライシャーの著作者人格権をかけたパラマウント社との戦いでしょうか。日本のアニメもアメリカで放送される番組のMAD素材として輸入されていた時代があったことを考えると他人事ではありません。最終的に競り勝ったものが名誉まで独占する、アメリカの著作権は実にアメリカらしい気がします。他には著者とは直接関係なくても、スタジオのストについては歯切れが悪いのもおもしろいですね。本書はフライシャー家の雰囲気が伝わってくる魅力的な伝記でした。2016/02/25
susie
0
息子で映画監督のリチャード・フライシャーが書いた父の肖像。「有名人を親にもつのは、なにかと大変だと言われている。ひっそり暮さねばならないとか、うんざりするほど比較されるとか。さて、かくいう私も有名人の息子として育ったが、ちっとも大変ではなかった。それどころか最高だ。」という書き出しから素晴らしく、平易な言葉で淡々と父親について書かれていて、感動的な伝記。リチャード・フライシャーの自伝も早く読みたい。2011/09/21
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