老人の美しい死について

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  • サイズ B6判/ページ数 260p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784861822315
  • NDC分類 281
  • Cコード C0095

内容説明

人生の終末に、あえて自ら死を選んだ三人の老人―自らの仕事を“天職”と心得て、心に秘めた強い意志をもって生き抜かれた果ての自死。明治人の“美しき生と死”を通して、現在の生のあり方を問う。

目次

歌舞伎役者・市川団蔵(八代目)―本当の歌舞伎、さあ戻ってきますかねえ(四国八十八ヶ所巡礼へ;芸術選奨受賞の胸のうち;老優、覚悟の投身 ほか)
農婦・木村セン―花の浄土にまいるうれしさ(遺書を書くために始めた手習い;詩集『母の碑』;「父なし子」 ほか)
マルクス学者・岡崎次郎―マルクスと離れた私は、旅立つしかない(自分で自分に始末をつけること;マルクスとの出会い;大震災直後の帝大へ ほか)

著者等紹介

朝倉喬司[アサクラキョウジ]
1943年、岐阜県生れ。早大一文社会学科中退。『週刊現代』記者を経てフリーに(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ろくせい@やまもとかねよし

142
老境における自殺の論考が主題。1966年没した歌舞伎役者、55年没した群馬の農婦、84年没した「資本論」訳者である大学教員の生育から最期までを紹介。「老境に入った自殺は一般的に未遂が少ない」とはじめ、「個人の生に、その時代の習俗や習慣のなか、意味を息吹かせている」と締める。ただ、大部分は、共産主義をめぐる戦中戦前、そして戦後の主に日本国内における社会の影響が表され、表題と大きなギャップが。著者は社会から自殺を考察。しかし、紹介された自殺には、社会とは無関係なある種力強い生をも喚起する意識がある気もした。2021/04/24

キムチ

27
題にそそられて読んだのだが、何とも気分の悪い読後。80歳代2人と、60歳代一人の自死の周辺と当人の矜持を綴る。それをして「美しい」と感じるか否かは価値観の相違。実直に脇役を勤め上げ、四国遍路旅の途中で海中に身を投じた歌舞伎役者。家族の生活を守る為働きづめに働いた農婦、骨折で臥床の身となり、自ら縊死。「資本論」の翻訳者でもあるマルクス学者、妻と共に各地を行脚した挙句大阪で足取りが消える。筆者が読み手に伝えたかったのは3番目、岡崎次郎か。作品の半分を割いて微に入り細に渡って主観客観的に論評してある。2015/01/09

tkm66

1
元ネタの一部は松永伍一『荘厳なる詩祭』の<上州自殺考>か。それよりも呉智英のエッセイが大分先にあった筈。2022/12/19

耄碌先生

0
★★★★☆89点2024/03/11

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