長い20世紀―資本、権力、そして現代の系譜

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  • サイズ B6判/ページ数 586p
  • 商品コード 9784861822179
  • NDC分類 332.06
  • Cコード C0033

内容説明

「長い20世紀」とは、アメリカが覇権を握る世界経済システムが始まり、それが終わるまでのサイクルを指している。このアメリカのサイクルを、イタリア・ジェノヴァのサイクル(15‐17世紀)、オランダのサイクル(17‐18世紀)、イギリスのサイクル(19‐20世紀)と比較しながら、壮大なスケールで分析したものが本書である。700年の資本主義の歴史から見ると、金融拡大は、資本主義の最高段階ではなく、一つのサイクルの最終局面であり、新たなる世界体制への前兆である。私たちは、今まさに〈世界システム〉の転換期に立ち会っている。新たな覇権は誰が握り、その体制はどのようなものになろうとしているのか?本書は、その基本的視座を与える。

目次

第1章 史的資本主義の三つの覇権(覇権と資本主義と領土主義;近代国際システムの起源 ほか)
第2章 資本の台頭(蓄積システム・サイクルの循環の前段階;高等金融の発生 ほか)
第3章 産業、帝国、および資本の「無限」蓄積(蓄積システムの第三サイクル(イギリス)
資本主義と領土主義の弁証法 ほか)
第4章 長い二〇世紀(市場と計画の弁証法;蓄積システムの第四サイクル(アメリカ) ほか)
終章 資本主義は生き延びるか

著者等紹介

アリギ,ジョヴァンニ[アリギ,ジョヴァンニ][Arrighi,Giovanni]
1937年、イタリア生まれ。アメリカ在住の社会学者。世界システム論の代表的論者の一人。1960年、ミラノのバッコニ大学で経済学博士を取得。1979年、アメリカにわたり、ニューヨーク州立大学ビンガムトン校のブローデル・センターに所属し、ウォーラーステイン等と研究をともにする。その成果は、共著『反システム運動(Anti‐systemic Movements)』(邦訳:大村書店)をはじめ数冊の本にまとめられている。1998年、ジョン・ホプキンス大学に移り、現在、同大で教授(社会学)を務めている

土佐弘之[トサヒロユキ]
1959年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科修士課程修了。同大東洋文化研究所助手、東北大学大学院法学研究科教授などを経て、神戸大学大学院国際協力研究科教授。専攻:国際関係論・比較政治学

柄谷利恵子[カラタニリエコ]
オックスフォード大学で博士号取得。九州大学大学院比較社会文化研究院助教授を経て、関西大学政策創造学部教授。専攻:国際関係論

境井孝行[サカイタカユキ]
1961年生まれ。神戸大学大学院法学研究科博士後期課程修了。鹿児島県立短期大学助教授を務めていたが、2000年8月没。専攻:国際関係論

永田尚見[ナガタナオミ]
神戸大学大学院国際協力研究科博士後期課程中退。元・神戸大学大学院国際協力研究科助手。専攻:国際関係論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

まつゆう

0
タイトル通り、というわけではないがとにかく長い。細かい部分は突っ込みどころもありそうだが、如何せん個々の歴史に疎いのでよく分からない、ただ、大掴みな内容としては十分すぎるほど詳しい。システム拡大の歴史は生産拡大→金融拡大のプロセスによって起こっている。社会科学の未来予測はあてにできるもんじゃない、と思いつつも、20世紀イギリスの金融資本化が軍事への投資拡充に回されて戦争を招いたという指摘は今日的事象を説明する際にもあてはまりそうで恐ろしい…。2014/01/12

鏡裕之

0
世界の覇権の移り変わりを世界システムによって説明するひとつの理論。アリギは蓄積システムのサイクルによって、説明しようとする。だが、本書はいささかお粗末。蓄積システムという視点で深く突き刺すわけでもなく、蓄積システムという観点から一貫性・統一性をもって時代を見渡すわけでもなく。近代以降の歴史について語りたいのか、政治について語りたいのか、経済について語りたいのか、漫然としている。正直、まったく評価できない。ウォーラーステインの『近代世界システム』の方が、論としての出来ばえはいい。2013/12/31

メルセ・ひすい

0
大書  アリギ・ミラノ、バッコニ大経済Dr. ニュウヨーク州立大 米国在住の社会学者 アメリカが覇権を握る世界経済システムが始まり、それが終わるまでのサイクルを指している。このアメリカのサイクルを、イタリア・ジェノヴァのサイクル(15‐17世紀)、オランダのサイクル(17‐18世紀)、イギリスのサイクル(19‐20世紀)と比較しながら、壮大なスケールで分析したものが本書である。2009/04/21

思路夢

0
読むのに二週間かかった。原書のPB版と併読。力尽きたのか四章の途中から誤訳が散見されるようになるが,許容範囲内。 京極本的厚さの本書であるが,表題に偽りありで,20世紀についての記述は存外短い。 「資本主義」を市場経済と等置するのではなく,むしろ非市場的な独占利益を貪る「資本」により牽引された経済体制と考えるブローデルの視角で,世界システムとしての資本主義世界経済の経済循環と覇権交代を検討する。 基本的ポイントは,生産拡大期から高度金融拡大期への,相対的平和期から大国間の戦争(緊張)拡大期への推移。 2021/12/16

Hidekazu Asai

0
読むのに一週間かかった。 資本主義の原型は、自由帝国主義はジェノヴァ、国家独占資本主義はヴェネツィアというのが著者の分析である。その自由帝国主義の原型が、オランダ、イギリス、アメリカへ継承される。 最後に日本が出てくるが、本書自体、1994年出版だから、驚異の日本成長のことまでの部分までしか書かれていない。 ネグリとハートが誤読し、アメリカの次は日本だ、と本書に書かれてあると捉え、著者はそんなことは書いていない、と前書きで述べている、確かに著者のいうとおりである。 2018/08/19

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