内容説明
「長い20世紀」とは、アメリカが覇権を握る世界経済システムが始まり、それが終わるまでのサイクルを指している。このアメリカのサイクルを、イタリア・ジェノヴァのサイクル(15‐17世紀)、オランダのサイクル(17‐18世紀)、イギリスのサイクル(19‐20世紀)と比較しながら、壮大なスケールで分析したものが本書である。700年の資本主義の歴史から見ると、金融拡大は、資本主義の最高段階ではなく、一つのサイクルの最終局面であり、新たなる世界体制への前兆である。私たちは、今まさに〈世界システム〉の転換期に立ち会っている。新たな覇権は誰が握り、その体制はどのようなものになろうとしているのか?本書は、その基本的視座を与える。
目次
第1章 史的資本主義の三つの覇権(覇権と資本主義と領土主義;近代国際システムの起源 ほか)
第2章 資本の台頭(蓄積システム・サイクルの循環の前段階;高等金融の発生 ほか)
第3章 産業、帝国、および資本の「無限」蓄積(蓄積システムの第三サイクル(イギリス)
資本主義と領土主義の弁証法 ほか)
第4章 長い二〇世紀(市場と計画の弁証法;蓄積システムの第四サイクル(アメリカ) ほか)
終章 資本主義は生き延びるか
著者等紹介
アリギ,ジョヴァンニ[アリギ,ジョヴァンニ][Arrighi,Giovanni]
1937年、イタリア生まれ。アメリカ在住の社会学者。世界システム論の代表的論者の一人。1960年、ミラノのバッコニ大学で経済学博士を取得。1979年、アメリカにわたり、ニューヨーク州立大学ビンガムトン校のブローデル・センターに所属し、ウォーラーステイン等と研究をともにする。その成果は、共著『反システム運動(Anti‐systemic Movements)』(邦訳:大村書店)をはじめ数冊の本にまとめられている。1998年、ジョン・ホプキンス大学に移り、現在、同大で教授(社会学)を務めている
土佐弘之[トサヒロユキ]
1959年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科修士課程修了。同大東洋文化研究所助手、東北大学大学院法学研究科教授などを経て、神戸大学大学院国際協力研究科教授。専攻:国際関係論・比較政治学
柄谷利恵子[カラタニリエコ]
オックスフォード大学で博士号取得。九州大学大学院比較社会文化研究院助教授を経て、関西大学政策創造学部教授。専攻:国際関係論
境井孝行[サカイタカユキ]
1961年生まれ。神戸大学大学院法学研究科博士後期課程修了。鹿児島県立短期大学助教授を務めていたが、2000年8月没。専攻:国際関係論
永田尚見[ナガタナオミ]
神戸大学大学院国際協力研究科博士後期課程中退。元・神戸大学大学院国際協力研究科助手。専攻:国際関係論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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