内容説明
三度の不幸な結婚とたび重なる政争、十九年に及ぶ監禁生活の果てに、エリザベス一世に処刑されたスコットランド女王メアリー。悲劇の運命とカトリックの教えに殉じた、孤高の生と死。文豪大デュマの知られざる初期作品、本邦初訳。
著者等紹介
デュマ,アレクサンドル[デュマ,アレクサンドル][Dumas,Alexandre]
1802‐70。フランスを代表する小説家・劇作家。生涯に長短合わせて250篇あまりの作品を書いたとされる
田房直子[タブサナオコ]
津田塾大学英文科卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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TERU’S本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ケイ
112
メアリ・ステュアートをだれが殺すことにしたのか。エリザベス一世か、スコットランドか。母のアン・ブーリンは首を切られた王妃であったが、エリザベスは生き延びて女王となり、メアリーの斬首にかかわる。メアリーは、斧を用いられたために、アン・ブーリンより酷い首の切り方をされている。その息子がエリザベスの後にイングランドの王になるのだが、この小説には書かれていない。デュマはエリザベスが好きでなかったのかしらね。殺されてしまう白雪姫と、意地悪で嫉妬深い女王の対比。2022/03/17
shoko
17
若い頃に1度読んだときには、エリザベスはなんて残酷な女王で、メアリはなんて女性らしい女王なのだろう、と思ったのだけれど。今改めて読んでみると、国を司る人が色恋に生きる様はなんだか情けない。さすがに最後はあまりにもかわいそうだけれど、自業自得な点も否めない。自分が歳を重ねて経験が増えるとこんな風に感想までガラッと変わるなんて、再読するのは面白いものですね。2018/09/23
きりぱい
14
やや解説めいていたけれど、なかなか面白かった。スコットランドの美貌の女王メアリー。王だって人間だろうけれど、メアリーの場合、人間というより女の本能が強すぎた。エリザベスに比べて政治的な手腕も持たず、女心優先の愚かな行動に出てばかり。いまいち好きになれないメアリーとはいえ、処刑前夜からのひるまない態度と、つき従った臣下たちへの気遣いは見上げたもので、首切り役人の不手際があんまり!敵陣のジョージの告白から脱出劇の辺りが読ませる。ああ、それにしてもよりによってイングランドへ逃げるなんて。2011/09/29
星落秋風五丈原
11
修道院で「生まれながらにして女のやさしさと、男の理論的な物の考え方をふたつながら持っていた」少女は長じてフランス王妃となり生まれながらにしてスコットランド女王でありイギリス王位継承権も持っていた。それなのに彼女は最終的に全てを失ってしまった。小説というよりは歴史書を読んでいる印象がある。既存作品を見るに、メアリーと彼女をとりまく人たちへの肉付けが足りないように思われる。解説を読むと父を幽閉された経験を持つデュマはもともとメアリーに同情的だったこともあり、完全に客観的に見られなかったのではないだろうか。2014/05/08
Book Lover Mr.Garakuta
7
【図書館】【速読】:参考図書2022/07/20
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