ファム・ファタル―妖婦伝

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  • サイズ A5判/ページ数 287p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784861821684
  • NDC分類 723
  • Cコード C0022

内容説明

美貌と官能で男を誘い、近寄る男を地獄に落とす、美しくも残酷な稀代の妖婦たち。その魅惑、神秘、淫蕩、残酷の諸相を名画とともに辿る。収録図版140点・オールカラー。

目次

1 残酷(サロメ;メデイア ほか)
2 神秘(イブ;モナリザ ほか)
3 淫蕩(マリリン・モンロー;オンファーレ ほか)
4 魅惑(ヘレネ;ヴィーナス ほか)

著者等紹介

イミョンオク[イミョンオク]
現在、サピナ美術館館長、国民大学校美術学部兼任教授。誠信女子大学校を卒業しソフィア国立美術大学絵画科修士、弘益大学校美術大学院で美術企画を専攻した。美術が好きでそれに耽溺して暮らす著者は、若い情熱と求心力ある対人関係や魅力的な容貌で、暮らしと仕事を美しくプロデュースしていく真のキャリアウーマンである。毎回、斬新で目新しい企画を手に、老若男女、どんな人でも気軽に楽しめる「大衆美術館」を運営しながら、美術界に活力を吹き込んでいる。大衆に近づくもうひとつの方法として美術関連の書籍も数冊編集している

樋口容子[ヒグチヨウコ]
1969年生まれ。筑波大学大学院地域研究研究科卒業。1995年から2004年まで韓国翰林大学校日本学研究所に勤務。帰国後は通訳・翻訳業に携わる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

∃.狂茶党

9
マリリン・モンローはむしろ、ファム・ファタルのイメージに縛られた犠牲者だったのではないかと思うのですが、どうなんだろう。 そういえば、日渡早希の『記憶鮮明』(『ぼくの地球を守って』関連作)では、モンローのイメージとモンローへの反感が描かれていた。 ガイド的な本で、あまり掘り下げはしないのだが、男性のマゾヒスティックな欲望が気になる。 マゾヒズムは、奴隷が主人の主人になる倒錯を生み出す。 ファム・ファタルは関係性の中にしか存在し得ず、それゆえ、妖婦は男の中に宿る、何かの名前だ。 2022/11/04

またの名

8
ユング派ならアニマの発展の中途段階として聖母の下位に置くような「男を破滅させる運命の女」の西洋美術史における表象を、ボードレールからの引用とエロティシズムの匂い立つ文章によって探求。怪物スフィンクスさえオイディプスを誘惑する淫蕩な女豹の妖婦に仕立てあげてしまう世紀末的デカダンスの想像力は、サロメやセイレンやクレオパトラやゾラのナナはもちろんのことマリリン・モンローや幼女ロリータの破滅的魅力、更には母なるイヴの罪にまでタナトスを伴う享楽を嗅ぎつける。痴人の愛宜しくフィリスに馬乗りされた衝撃のアリストテレス。2014/08/04

K

5
ラファエル前派のみならずクリムトも大好きで、好きな女優さんといえばジャンヌ・モローや木暮実千代で、ヴィオレッタやトスカ、ジルダよりもカルメンでしょ、という時点ですでに妖婦好きの素質がある?わたしですが、うっとりしながらページをめくりました。ですが、文章はちょっと劇的詩的すぎて、そんなに妖婦礼賛に酔っぱらわなくても、と思うキライもありました。男性はそんなに妖婦の性的魅力に狂ったり、支配されたりしているのかしら。現実にはそんなことない気もするけど。わたしが異性愛者の女だから妖婦の魅力を分からないだけかしら。2014/12/25

nizimasu

5
平松洋さんの絶世の美女シリーズとも通じる本。絵画のモチーフになった聖書や神話の中でも、男を引きつける美女に着目している。それはサロメやメディア、スフィンクスなどなじみのものから、なぜかマリリンモンローまで。言われてみると確かにそうか。ファムファタルという概念自体が19世紀になりたったといわれるだけに、ここでもマネ以降の印象派やラファエル前派のモノが多い。著者が韓国の人でちょっと意外な気もしたが、それはそれで面白い佳作であります2013/12/20

in medio tutissimus ibis.

2
美術関係の本と思いきや、文学作品扱い(あとがき参照)らしい。韓国文学翻訳院がどうしてこの本を翻訳することにしたのかよくわからない。何か色々あったらしいが。韓国独特の感情や伝説について本の一行程度触れてるくらいで、殆ど韓国要素ない西洋美術史の本に見える。プットーを天使と表現したり、文中で言及してる画中の象がトリミングされて表情が見えなかったり仕事が雑。文章がいやに陶酔的なのはまあ、ブンガクだし作者の味と見逃してもいいけど。この本で初めて知った絵画やそのモチーフはかなりの収穫だったし、トータルでは良かった本。2015/07/24

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