内容説明
日本でも「郵政」の次には、「水道」の民営化が狙われている。世界では、一九九〇年代は「水道民営化」の一〇年であった。グローバル水道企業は、世界銀行などの国際金融機関に支援され、各国の政府や政治家と癒着し、巨大な利益をあげながら、世界の水道を手中に収めてきた。しかし、世界のほとんどの地域で、「水道民営化」は失敗した。その結果、水質悪化、料金高騰…、貧しい家庭が水道を利用できなくなったりしている。民営化反対運動は拡大し、かつての公営水道を改善した新たな公共水道が構築されてきている。本書は、市民・水道局員・研究者など水道に直接関わる現地の人々の手によって執筆された、世界17ヶ国の水道民営化の実態、新たな公共水道に向けた闘いをまとめたものである。
目次
第1部 成功している公営水道(ブラジル・ポルトアレグレ―すべての人に奉仕する公営水道;インド・ケーララ州オラヴァナ村―住民による水道運営の事例に学ぶ ほか)
第2部 新たな公共水道を目指して(ブラジル・レシフェ―市民参加でつくられる上下水道サービス;ボリビア・コチャバンバ―水戦争を経て、公営事業体と地域社会のパートナーシップへ ほか)
第3部 公共の水道を求める人々の闘い(ウルグアイ―「水に対する権利」を勝ち取った直接民主主義;イタリア・アブルッツォ―水を守り、市民参加を求める闘い ほか)
第4部 これからを考える(公営水道をどう機能させるのか―次の課題;民営化の恩恵という幻想―途上国の水道サービスに投資していない民間セクター ほか)
著者等紹介
佐久間智子[サクマトモコ]
「環境・持続社会」研究センター理事(「暮らしとグローバリゼーション」プログラム担当)。1996年~2001年、「市民フォーラム2001」事務局長。現在、女子栄養大学非常勤講師、明治学院大学国際平和研究所研究員、開発教育協会評議員などを務めており、経済のグローバル化の社会・開発影響に関する調査・研究および発言を行なっている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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