世界の“水道民営化”の実態―新たな公共水道をめざして

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  • サイズ A5判/ページ数 272p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784861821295
  • NDC分類 518.1
  • Cコード C0036

内容説明

日本でも「郵政」の次には、「水道」の民営化が狙われている。世界では、一九九〇年代は「水道民営化」の一〇年であった。グローバル水道企業は、世界銀行などの国際金融機関に支援され、各国の政府や政治家と癒着し、巨大な利益をあげながら、世界の水道を手中に収めてきた。しかし、世界のほとんどの地域で、「水道民営化」は失敗した。その結果、水質悪化、料金高騰…、貧しい家庭が水道を利用できなくなったりしている。民営化反対運動は拡大し、かつての公営水道を改善した新たな公共水道が構築されてきている。本書は、市民・水道局員・研究者など水道に直接関わる現地の人々の手によって執筆された、世界17ヶ国の水道民営化の実態、新たな公共水道に向けた闘いをまとめたものである。

目次

第1部 成功している公営水道(ブラジル・ポルトアレグレ―すべての人に奉仕する公営水道;インド・ケーララ州オラヴァナ村―住民による水道運営の事例に学ぶ ほか)
第2部 新たな公共水道を目指して(ブラジル・レシフェ―市民参加でつくられる上下水道サービス;ボリビア・コチャバンバ―水戦争を経て、公営事業体と地域社会のパートナーシップへ ほか)
第3部 公共の水道を求める人々の闘い(ウルグアイ―「水に対する権利」を勝ち取った直接民主主義;イタリア・アブルッツォ―水を守り、市民参加を求める闘い ほか)
第4部 これからを考える(公営水道をどう機能させるのか―次の課題;民営化の恩恵という幻想―途上国の水道サービスに投資していない民間セクター ほか)

著者等紹介

佐久間智子[サクマトモコ]
「環境・持続社会」研究センター理事(「暮らしとグローバリゼーション」プログラム担当)。1996年~2001年、「市民フォーラム2001」事務局長。現在、女子栄養大学非常勤講師、明治学院大学国際平和研究所研究員、開発教育協会評議員などを務めており、経済のグローバル化の社会・開発影響に関する調査・研究および発言を行なっている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

手押し戦車

3
生命を維持するのは水がいる。水を供給するということは一種の生活の安全保障と生活の水準向上であり、そこにはいろんな人が使って生活をしたり工場で使ったりして人の命の維持と社会発展にも安定した水の供給が大事。2014/02/22

hika

1
世界各地の現場からの報告が興味深いが、水道の問題の包括的な枠組みの提示には欠けるか。それは別の本の役割といえばそうなるけどね2008/10/21

taming_sfc

0
コーポレート・ヨーロッパ・オブザーバトリー、トランスナショナル研究所による2007年の編著。作品社は、いい本を作ると改めて認識。公共水道の復権と水道民営化の問題点、もう一つのPPPである官・官パートナーシップが本書を貫く3本柱である。本著の特徴としては、執筆陣が当該問題の活動家を中心として構成されていることである。ゆえに、理論的側面の提示・構築というよりは、それぞれのケースのケーススタディが中心である。邦語書籍にはこの種の書籍は類例がなく、当該問題に関心がある者にとっては必読の一冊である。2010/10/04

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