内容説明
桃李学園高等部の片隅に建つ古ぼけた洋館「マイナークラブハウス」に集う弱小文化部―ウクレレ部、園芸部、演劇部、思想研究会、歴史研究会、和琴部―の面々は、自由気ままに青春を謳歌…しているように見えるが、一筋縄でいかぬのが思春期というもの。新・演劇部長、畠山ぴりかの涙のワケは!?謎が謎を呼び、続きが気になってしかたがない学園・青春小説シリーズ、待望の第2弾。
著者等紹介
木地雅映子[キジカエコ]
1971年生まれ。日本大学芸術学部演劇学科卒業。93年「氷の海のガレオン」が第36回群像新人文学賞優秀作となり、作家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kariya
15
第2作は春の合宿編。少しずつ謎の断片が明らかになっていく中、主役は1人サバイバルしてますが(笑)。年齢を重ねても親になっても、「大人になりたくない!」と全身で無音の叫びをあげる人はいるものだけれど、それでも生きていかなくてはならない子供の一人であるぴりかが、壊れそうになりながらもたくましく生き延びようとする姿は、とても愛しい。子供に責任を持とうとする大人が、理想的で完璧な人間に描かれないあたりも、木地作品はバランスが取れていて素晴らしい。次作の展開もまた楽しみ。2009/07/17
太陽
7
前巻は期待してたほど乗れなかったのですが、今作は比較的楽しめた。でも、イマイチぴりかが好きになれないせいでハマりきれない残念なシリーズです。一応続きも読もうとは思いますが…2010/12/02
しんちゃん
7
今回も面白かった。一見ドタバタ学園小説のようでも、実は奥が深い作品だ。世間から変わり者と見られても、どうしようもない家庭の事情を抱えていても、彼らを何の問題もなく受け入れてくれるマイナークラブハウスと、支えてくれる仲間たち。ぴりかが押しつぶされそうな母との関係。天野の消えた記憶。そういった問題も、ここマイナークラブハウスでは些細なこと。親を敵にしようとしない彼らが健気だ。また応援したくなる。第三巻も楽しみだ。2009/12/22
らくだ
6
一巻より更に面白く、更に闇が深くなっている。太賀君の話が胸にぎゅっと来た。愛情に飢えた母親が愛情に飢えた娘を作り出す。娘は自分の中の空洞を埋めるために誰かを食べようとする。太賀君はいいお兄さんだなあ。素晴らしい。猫のきゅうりが主人公の話は、オチにギョッとした。え!滝じゃないの!?滝じゃないの!?大変だー!2015/01/08
吉兆
6
他者と異なることを”異常”ではなく受け入れてくれる人のなんと稀有なることか。2010/05/16
-
- 和書
- ネットワークリテラシ入門