内容説明
桃李大学付属、那賀市桃李学園。文武両道の有名私立大学に付属する中高一貫校である。その高等部の一角に、部員5人未満のため非公式な存在の文化部ばかりが集い、「マイナークラブハウス」と通称される古ぼけた洋館があった―。思春期を旅する「普通じゃない」少年少女たちの一筋縄ではいかない日常を描き、面白いのに不思議とジンとくる、最先端の学園小説。
著者等紹介
木地雅映子[キジカエコ]
1971年生まれ。日本大学芸術学部演劇学科卒業。93年「氷の海のガレオン」が第36回群像新人文学賞優秀作となり、作家デビュー。94年、同作のほかに2編を収録した単行本『氷の海のガレオン』を刊行(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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はらぺこ
35
第一話以外は一年前の話。なので内田紗鳥が今後どう絡んでくるかは謎。畠山ぴりかの家族も謎。この先オモロくなるなかどうかも謎。 なんやろなぁ、共感しかけては冷めての繰り返しやった気がする。有名私立大学の付属やし冷暖房完備やし中等部にも軽音部があるし共学やし、公立学校や男子校に比べたら天国やん。下敷きで扇ぐぐらいじゃどうにもならんクソ暑さ、汗でノートや解答用紙が腕にへばりつく鬱陶しさが無いだけええやん。2014/07/16
kariya
21
書評で事前に知っていたのに、やはり「ガレオン」で「悦楽の園」の木地さんが!? と読み始めはびっくり。はみだし者ばかり寄せ集めた弱小部、とくればいかにもラノベ王道。でも読んでいくと、キャラ造形やエピソードの描写の端々は木地さんテイストだし、ぐいぐいと引き込む力はさすが。紗鳥が泣いたり猫を救出したりの場面では、うっかり泣きそうになったりも(笑)。学校や家が永遠に出られない壁に囲まれている気持ちの子供も、それが自分で造り上げたものだともう分かっている大人も、どちらも楽しめるお話。次もとても楽しみです。2009/06/23
いいちゃん
16
ピュアフルらしく爽やかな感じ、でありながら何処か暗さも含むお話。悦楽の園程イタくはなかったですが。個性的であるがゆえに普通な子達と馴染まない高校生達が所属するマイナークラブがあつまったマイナークラブハウスを舞台に、それぞれの人物の事情が描かれる。マイノリティを受け入れる懐の広さを持ちたいものです。2016/05/26
凛
8
木地雅映子節だ。登場人物が多すぎるのと彼女が書きたいのであろう内容が1巻では収まりきってないので消化不良気味。せめて次の巻読まないと感想が書きづらい。みんなの人生の重みがきしんで聞こえてくるよ。こんなに高校生ってオトナだったっけっかな。2015/05/08
高島津諦
7
『氷の海のガレオン/オルタ』以来の木地雅英子。名門高校の中の、マイナーなクラブだけが集まるクラブハウスを舞台にした青春ストーリー、という割と普通のライトノベルっぽい条件で、志村貴子の表紙絵も相まってポップな第一印象。ところがどっこい、やっぱり木地雅英子というべきか、中身は重い。一冊丸々序章的だったり、はしゃいでるシーンのタッチが私には合わず寒く見えたりという難点があるが、でも威力はあると思う。(コメに続く)2011/11/28