内容説明
恋愛が面倒くさいというOL、オーディションのために上京する少女、職場恋愛をもくろむ「熱血教師」、新聞配達の高校生と人妻…ココロのスピード全開の連作短編集。
著者等紹介
前川麻子[マエカワアサコ]
1967年東京都生まれ。舞台・映画女優を経て『鞄屋の娘』で、第6回小説新潮長篇新人賞を受賞し、作家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アコ
20
連作短篇集。しかし篇分けがなく章で登場人物が変わっていくスタイル。前の章に絡む人物がバトンを受けて語り手に。1-2章の繋がりかたがよい連作短篇集のそれで気に入るも、徐々にそうでもなくなってきて残念。とはいえ、9章いずれも特に文句なく読了。やはりバリエーション豊かなのは楽しい。しかし「タイトルにするほどブルーハーツかあ?!」とも。大昔に前川さんの本を読んだはずなのにその本が思い出せず…。でもかなりダークな印象の作家さんだったのでこの本の雰囲気は意外。(プチダークはあるけども。)2016/07/05
さわこ
7
短編集。少しずつ話がリンクしているところが好き。一つ目と二つ目のお話の「藤田さん」「太田くん」は、人間味があるし、なんとなく微笑ましい感じのストーリーで好きだったんだけど、ほかはちょっと切なくてさみしい。これから登場人物たちが幸せになってくれたらいいなあ、と思う。★★★★☆2014/02/23
遠い日
4
前川さんの本にすれば、(文庫は別として)表紙のイラストがカラフルで、これまでのちょっとダークなイメージとは異なることにまず気がいく。文体もテーマも、今までの骨太で真っ正面から切り込んでくるような、読む者との一騎打ちのような息苦しさはない。9話が収められていて、人物がリンクしていく。話は、タイトル通りそれぞれの「ブルーハーツ」。誰の心にも巣くうであろう屈託や憂鬱や翳りを掬いとっている。けれど、書き継ぐうちにやはり前川麻子らしさが顔をだす。4章、7章、8章が好きだ。うずうずとした痛みにも似た昏さが胸に沈む。2007/10/07
たなか
4
短編集。1話と2話が繋がっています。読み終わったとき、ブルーハーツを最初と最後の話の主人公と歌いたくなった。物語に出てきた「青空」や「パーティー」。僕のSOSが君に届かない。2012/02/12
ERION
4
★2 1話の登場人物が2話の主人公、のような感じで少しずつ繋がる短編集。最初ひとつの話かと思ってたがそうではなかった。残念。1.2話が気に入ったのになあ。全体的に救われない感じで、表紙の爽やかさに惹かれた私にはいまいちだった。2009/08/14