感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
フム
16
1918年7月、折からの不漁と米価高騰に耐えかねた魚津の漁師町で起きた米騒動は8月上旬には西水橋、滑川町、そして全国へ広がった。当時の紙面に「女一揆」「女軍米屋に迫る」などと書かれたように家族を食べさせるために矢面にたって声をあげた「おかか」達の闘いが始まりだ。様々な民衆運動の原型が米騒動にあり、国家権力にひるむことなく主張し、民主主義を勝ち取るきっかけとなったことに目を見張る思いで読んだ。この本は米騒動100年の節目に北日本新聞一面に2018年1月から連載された全51回の記事を書籍化したもの。2019/05/15
ポンポコ
4
一般的には魚津の漁師のかあちゃんたちが起こした米騒動は全国に広がり、時の内閣を倒して藩閥政治が終わり政党政治へ、男子普通選挙制の導入へつながる流れを作った。でも本書では教科書のイメージと実は違う事実が明かされる。富山では盗まず拾わず放火せず、米俵に手も触れず、あくまで非暴力の団体交渉だった。元々魚津では夏になると魚が取れなくなるため、町独自の救済制度があり、その発動を求めただけだった。本書では、資本主義が成熟して貧富が拡大した大正後半と現代を重ね、富山のかあちゃんたちに学ぶことをうったえている。2019/03/31
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