内容説明
劫濁(時代の汚れ)、見濁(邪悪な見解や思想の混乱)、煩悩濁(悪徳の栄え)、衆生濁(人間の資質の低下)、そして命濁(短命化)―。前大谷大学長の著者が、念仏の教えをひもときながら、五つの汚れに満ちたこの世で、人間らしく生きる智慧を説く。
目次
共にある生と死―幸せは心持ちが肝要
智者の教えに耳を―便利さ求め社会混迷
進むを知り退くを守る―根本に立ち返る大切さ
子どもは「授かりもの」―少子化価値観の再考を
混迷の世こそ「信」を―文明進み社会が極端化
全体見渡す眼が大事―病気の人どう捉えるか
理想掲げ滅んだ国ない―対話や共感で融和を
現代の「情況」根本整理を―「汚染水」は焦眉の急
自己の本性に気付く―力の過信は「七宝の獄」
疑いの心鬼を生む―作れば漏れる秘密
50年も100年も短なり―自己の省察が大事
1度の間違い 一生に―時の流れは「今」の連鎖
「便利」が心を貧しく―「智慧」は濁世生き抜く力
煩悩具足ゆえの大悲―人間の力過信せずに
自らを省み他者思う―他力表す自然の姿
「自と他」の分別離れよ―自然の摂理から学ぶ
「義」は対立超えて唯一―種々ある「語」の解釈
寛容な賢者の対論を―「兵戈無用」の世界実現
過信は自信にあらず―凡夫が凡夫になり切る
著者等紹介
木村宣彰[キムラセンショウ]
前大谷大学長。1943年、旧城端町生まれ。66年に大谷大文学部仏教学科卒業。同大大学院文学研究科博士課程を満期退学。専門は仏教学(中国仏教)。図書館長、文学部長を経て、2004年4月~10年3月まで学長を務めた。現在、鈴木大拙館長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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